eikotomizawa

次の被害者 シーズン2のeikotomizawaのレビュー・感想・評価

次の被害者 シーズン2(2024年製作のドラマ)
3.9
待ちに待ったSeason2。
四年待って一夜で観終わる刹那の贅沢。

前作が決断させられた人たちの物語とすれば、
今作は遺された人たちの物語。

娘役のムーン・リーの死とのあわいを炙り出すあの質感の演技は本当に頭ひとつ抜けているなあ〜と今回も心を揺さぶられました。死に向かい、死に損ない、ともがらを見送った彼女が特殊清掃の場で働き、また違う角度で死を見つめる。彼女の周縁の付かず離れずの関係性はドラマを通して大きく動くシーンではないにせよ、一期テーマの根幹を最もよく展開していたと思う。

前作がすんごく良かったので、期待値が上がりすぎていたこともあり、ここからは評価は辛めに。
今作の事件、蓋を開けてみたら殺害方法にあまりロジックを感じなくて惨殺大喜利かと思った。サスペンス好きだから一向に構わないけど、前作の丁寧で慎重なシナリオと比べるとすこし気になるな〜。制作班のファンなのでゴア表現は受け入れるけど、特殊な死体損壊は前作同様に意味合いを持たせて欲しかった。

なによりあの役をディーン・・・藤岡竜雄である必要が本シーズンだけだとまだよくわからず、率直に言うとノイズになっていた。配役の整合性が見えず。続編の示唆も警察の巨悪にフェーズが移るのであれば、不可視化されていく人々とは対照的なテーマになっていくので、今後のコンセプトはどのようにまとまっていくのだろう。

ともかくシーズン1があまりにもエンディングまで完璧だったので、期待値が上がりすぎてしまったこともあり、今回全体的に凡庸になってしまった印象。続編を見て判断したいと思います。

ところで原題は「誰是被害者」なので直訳すると「誰が被害者」というニュアンスなんだけど、邦題は「次の被害者」なんだよね。前回は邦題のままでもよかったけど、今回のニュアンスは原題寄りでした。本当の被害者は誰だったのか、ゆっくり考えたいと思います。
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