露口茂の湿っぽい演技を見るにつけ、前作の緒形拳に想いを馳せつつ、あたりまえだけど同じ役でも俳優によってこんなに見え方が変わるんだなあと感心する。

そしてシーズン2ではとにかく八千草薫の色気、というか可愛らしさに魅了されてしまったのだった。当時50歳近いのに、かわいい。やはり人間、年齢じゃないよなあとつくづく思う。

また、みんな自分勝手にギャアギャア喚くなかで唯一、優しさをもって他者に接することができる宇崎竜童演じる勝又にホッとしたりもした。とても良いんだ、この宇崎竜童が。

なんだかこう書いてみると、このドラマに関してはずっと役者さんの演技というところを見ていたんだなあ。うん、おもしろかった。

佐分利信のセリフって有ったんかな？
それくらい殆ど喋っで無かったような記憶。
もう一度観てみたい。

　[パート1と2]
　 是枝裕和演出版、森田芳光監督映画を観たので、オリジナル版も何とか観た。

　音楽が過剰だったり、後半のまとまりが少し良くない気はしたけれど、全体的には、これが一番良かった。四姉妹の衝突と和解、それぞれの夫婦関係、不倫関係、があり、繋がりはあるけれどもそれぞれの生き方の違いが描かれる。

　次女巻子は、四姉妹の中で最もいろいろなことに世話を焼く存在だけれども、八千草薫だと、つんけんした感じが最もせず、さすがと思った。また、長女綱子の加藤治子もかなり貫禄があり、この二人は、他の二つの作品に比べても、格が違うと思った。

　三女の滝子のいしだあゆみは美しかったけれど、是枝裕和版の蒼井優が最も良かったと思う。四女の咲子の風吹ジュンも後半の脆い所も含めて良かった。是枝版の広瀬すずも上手いが、ちょっとやり過ぎの感じがした。

　残念だったのは、鷹男が、緒形拳からパートⅡで 露口茂に代わってしまったこと、あまりの違いに面食らってしまった。最後には慣れたけれど、緒形拳で行って欲しかった。

　一番違ったのは、竹沢の父の佐分利信、こちらは、心情が一番出ていたように思う。亡くなった妻への思いなど、他の二つにはこれ程なかったように思う。是枝版の國村準もさすがと思ったけれど、佐分利信は名優と思った。

　繰り返して同じ脚本で観ることになったけれども、オリジナルが、一番だったし、向田邦子の人物描写と台詞回しは本当に上手かった(2025.1.20)。

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