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模範刑事のsoopenのネタバレレビュー・内容・結末

模範刑事(2020年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

5年前の殺人事件の被害者が女子大生と、捜査にあたっていた刑事で、その2人を殺した罪で裁かれた、死後に冤罪と分かる男。事件は前半はシンプルに描かれていた。仲間の刑事が殺されたとあって、ロクな裏も取らずに、検察、警察の賄賂に塗れた上層部が仕組んだ罠にまんまと陥り、冤罪の死刑囚を作り上げた刑事が、その男の娘の為にもともう一度捜査に乗り出す。そこで見つかる数々の不審な点。何故何故何故…そして新たに起こる殺人。8話目までは死刑の執行時間がタイムリミットになる前になんとか控訴に持ち込めるか?という流れにやきもきし、記者(ヒロイン?)らの自己保身の思惑の為に、証拠が集まらず無惨にも執行されてしまってからは、もうどうせ何をやっても取り返しがつかないよ、ここまで引っ張る必要があったのか?と大変がっかりした。

しかし物語は意外な展開を見せて、最後の最後まで事件の真相が判明しなかった上、隠蔽されていた死体も見つかり、見始めた頃の単純と思われた事件が、後半にきて、複雑で更にやりきれないものを感じさせたことは間違いない。これは韓国という社会の構造が悪いのだといつも思わされる。人の命は金より軽いと思わないまでも、自分の進退がかかった時=その後の人生の明暗がハッキリ分かれると思った時、人はどういう行動を取るのか?自分の不利益を捨ててでも正義を守れるのか?守りたい人のために死ねるのか?

様々なことを感じさせるドラマで、死刑囚の娘には本当にそれでいいのか?と何度も問いたくなった。それでもソンヒョンジュの役には胸が熱くなったので、不満はあるものの最後まで完走できて良かったと思う。相棒のチャンスンジョにも救われた。彼らの献身的な働き振りこそが模範となれ、と腐りきった金の亡者達に言いたくなる。
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