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タリオ 復讐代行の2人のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

タリオ 復讐代行の2人(2020年製作のドラマ)
4.3
12年前、厳格な弁護士であった白沢正弘(遠藤憲一)は巨額の投資詐欺を働いた橘道三に詐欺の黒幕であると証言されたために警察から詐欺事件の容疑者とされるが、無実を訴えることなく失踪し、当時8歳であった正弘の一人娘・白沢真実(浜辺美波)は父と生き別れとなる。そして残された真実の唯一の肉親であった母が心労がたたり亡くなってしまったことから、親戚の家に引き取られる。
詐欺事件の容疑者である父を追う刑事・山口から「父親と同じウソつきの目をしている」と言われた真実は、父と同じ目をした自分が正義の戦士でなければ父も悪人になってしまうという思いから正義のために戦う人間になろうと決意し、中学生の頃に知った司法試験予備試験制度によって弱冠20歳で弁護士となり大手法律事務所に勤務する。しかし、法律の知識こそ確かだが世間知らずで頭が固く、思うように仕事を得られずにいた。
そんなある日、真実は先輩弁護士が持て余していた依頼人・綿貫依里子の案件を担当することとなる。大手ゼネコン・財源建設の御曹司・財津宏樹から性被害を受けた依里子は、金と権力により事実を歪曲され裁判で敗訴し泣き寝入りを強いられており、業を煮やした依里子はネット上で見つけた怪しい「復讐代行請負業」の男に復讐を依頼するが、手付金を支払い後も復讐が実行される気配がないらしい。それを詐欺と確信した真実は依里子にその男・黒岩賢介(岡田将生)をおびき出させ接触を図り、依里子から騙し取った手付金10万円を回収することに成功するが、同時に敗訴した裁判の内容を不審に感じ、財津の身辺調査をしていたことで財津の子飼いの弁護士の策略にはまり、真実は弁護士資格をはく奪され、弁護士として合法的に財津を訴える術を失ってしまう。
そんな真実に黒岩が一緒に財津を懲らしめないかと提案したことから、真実は正義を貫き依里子の無念を晴らすため、手を組むのではなく黒岩を利用するという建前で二人で財津に対し復讐を仕掛ける。
金と権力で罪から逃れた大手ゼネコンの御曹司、パパ活女子にお金を払わず逃げた男、パワハラで部下を自殺に追い込んだ上司、投資詐欺の黒幕など法律ではちゃんと裁けない悪に対して、頭の硬い弁護士白沢真実と元詐欺師黒崎賢介のデコボココンビが、相手の懐に潜入して証拠を掴んで相手に裁きを与える復讐代行の活躍を、ぶつかり合っているようでナイスなコンビのテンポの良い掛け合い、様々な小ネタが散りばめられたユルいコミカルな展開で描かれていて、仲間由紀恵と阿部寛のコンビの「トリック」シリーズの令和版のようなサスペンスコメディの中に、「復讐代行は果たして正義なのか」「真実を暴くのが被害者の救いになるのか」というテーマに肉薄している硬派な部分もあり、地方を回り白沢の父を探しながら事件を解決する次のシリーズもぜひ見たいサスペンスコメディドラマ。
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