ぱーでんねん

危険なビーナスのぱーでんねんのネタバレレビュー・内容・結末

危険なビーナス(2020年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

グランメゾン、テセウス、半沢直樹と当て続けた人気枠、今回の日曜劇場のジャンルはうってかわってラブサスペンス。今回はハズレかと思いながらみたが、1話で本作も当てたことを確信した。
ビーナス:女神
サスペンスだから重たく入るかと思いきや、入りは恋愛色強めのポップな雰囲気。
「弱ってるメスを狙うのは人間のオスだけみたいですよ。」このセリフを言ってる中村アンがよかった。フジもTBSも掛け持ちで大変だろう。
主演を務める、妻夫木。有吉、櫻井の夜会で綾野剛が妻夫木について「ど真ん中の人。気をてらったこともできるけど、多くの人が目指すところで戦ってる人。」と答えていたことが印象深い。なので、硬い役かと思えば、女にだらしない軽い男の役?
吉高由里子がすごく綺麗だと思った。君の眼の流星効果もあるんじゃないかな。
この主演の二人のサスペンスドラマの中に見せる恋愛に発展しそうな関係性が見ていて面白い。
3時のヒロインやR指定といった若いひと向けのキャストの起用はTBS的戦略だろう。
登場人物が多すぎて内容が集中して見ていないと入ってこない。自分の家系図に当てはめたりしながら考えたがまだ全然掴めない。でも、最終話ではこの多すぎる登場人物も個性を視聴者にうまく把握させているんだろうな。
鍵を握るのは伯朗の父が最後に書いた絵。
楓を探すため、部屋を回る時に昔の思い出がプレイバックするシーン、すごく良かった。
脚本はグランメゾンを務めた黒岩さん。本当に楽しみだ。
主題歌はback numberの新曲。ここからもTBSの本気度が窺える。
少しキュンとする恋愛模様とやサスペンスとしての面白さ、今シーズンナンバーワンも日曜劇場かな?また日曜の夜が楽しみになった。


二話
1週間待ちわびた作品
白朗が優馬の団地の部屋に入っていくシーン、BGMが独特で緊迫感が良かった。
「現実から目を背けるな。周りを見極めて戦え」
今はまだ怪しまれていない小日向さんや中村アンがこのまま訳がない。いつ絡んでくるんだろう。


3話
「注意はされましたけど、約束はしていません」
「褒められて喜ばない人間は幸せになれないとおばあちゃんが言っていました。」
「もちろんお兄様ですよ。」の後の伯郎の緩んだ頬、睨むディーンフジオカの連続カット面白かった。
伯郎が大事な、、、と言いかけて、妹だと言ったあと、サバサバした楓が照れながら目を合わせなかったことでこれから恋愛に発展しそうな雰囲気を演出。
今回のテーマは女の嫉妬。堀田真由がすごくきれいに見えた。

4話
予告で見ていたあきとが見つかるシーンはまさかの伯郎の妄想だった。そんなんありかよーって感じ。
伯郎が隆司さんをかばったときの田口さんの表情、よかった。
衝撃のラスト、来週が楽しみだ。

5話
吉高由里子と中村アンのコンビ、良い。
登場人物が多く分かりにくいことを緩和するために、名前が出た後すぐに顔写真を出す徹底ぶり
矜持(きょうじ):プライド
過去の出来事を回想シーンに感情を乗せて。
今話で急展開。来週が楽しみ。

8話
「言わせるために来たんだろ?」
ここまで来ると、なんてはずが起きるはずがないの来るところが少し前から分かるようになった。それでもこのくだり、面白い。
そして、このくだりを完全にフリにした今話のラスト、よかった。

最終話
次回が毎回楽しくなってワクワクさせられた作品もこれで終わり。
1話から継続して見せ続けた「楓は何者なのか」このテーマを10話分ずっと引っ張っり、飽きさせずに見せられたことがすごい。
楓を信用したのは「悪い人だとは思えないから。」含みを持たせるこの発言で、後半のバラシへの期待が増大した。
犯人は小日向さん演じる数学好きのおじさん。1話目で小日向さんが出た時点で、おや?と思った自分を我ながら褒めたい。光当て方で恐怖感を演出。おじさんが本当に欲しかったものは、寛恕の網の絵だった。この絵で素数の規則性が明らかになるという。数学に翻弄された男の末路。
そして、犯人よりも衝撃だったのが楓の正体。妻夫木くんの「理解できないんです」は視聴者の言葉を代弁しているような深い言葉だった。
鉄仮面を貫いていた楓。それでも、お兄さんとの思い出の想起する回想シーン、泣きそうになった。
楓の正体が分かってからの楓の顔つきが全く違うように見えた。吉高由里子の女優としての凄さを見た。
「私にはあれが本当に全て嘘だったとは思えません。」
寛恕の網は父からの白朗への最後のプレゼントだった。
お決まりの「なんてことが起こるはずがない。」は最終回ではラストの一回だけで、綺麗な使い方だったし、思わず笑ってしまった。昭和チックな古いボケだけど、すごく好き。そして、ラストの一言は「なんてことが起こるはずもある。」この部分は原作ではないだろうし、黒岩さんの凄さを感じた。
この最終回を終えて、手島伯郎という人物をとても好きになった。周りに流され、女にだらしない一面もありながら、自分に嘘がつけない、真っ直ぐな素直さが最後には周りをうまくまとめる。緩和する優しさを感じた。明人のような人から尊敬される特別な才能が欲しいと思う自分にとって、今の自分を認めさせてくれるようなメッセージ性すら感じた。
1話で内容を盛り込みすぎてペースダウンはよくあることだが、本作はラストが一番良かった。黒岩勉さんの作品がより好きになった。思わず一人で1分近く拍手をした。