アメリカ初の有人宇宙飛行「マーキュリー計画」のために選抜された、宇宙飛行士7人の苦悩と栄光を描いた物語。
なお、原作は1983年公開の『ライトスタッフ(The Right Stuff)』であり、本作の原題にもそのまま「The Right Stuff」が使われている。
ソ連に宇宙開発の先を越され、追いつけ追い越せの精神で悪戦苦闘を展開するアメリカ、という構図が珍しく感じた。
シーンの大半はアメリカ初の宇宙飛行士を目指す男たちの会話劇に割かれている。
優れたパイロットでありながら、その傲慢な性格が災いする者。
他のメンバーよりも一歩引いた冷静な立場で俯瞰しているように見えるが、実は誰よりもアメリカ初の宇宙飛行士への情熱を燃やす者。
飛行士としての能力以前に、家族関係がかんばしくなくどうしても世間体を気にしてしまう者…。
三者三様ならぬ七者七様の人間模様が描かれている。
そんな人間ドラマを楽しむ作品であるはずだが、自分にはどうも今一つ、ピンとくる内容ではなかった。
基本的に毎話、誰かと誰かがケンカしている。
その内容も女性を巡る痴話喧嘩だったり、宇宙を目指す仲間同士の内輪揉めがほとんど。
なんだか色々と解決していない状態で話は進み、なんやかんやで宇宙に飛び立っていく。これでは感情移入もできないし、感動も半減だ。
また本作のように、「逆境からの脱却」がベースの作品であると、最後には「アメリカ大勝利!!やったね!!」的な展開になりがちだが、本作はそうはならなかったのもポイント。
若干、「後味の悪い」終わり方をしているように感じた。
名声と栄光を得るはずだった彼らが、マーキュリー計画に参加することは果たして正しい選択だったのか。
ここも見る人によって評価が分かれそう。
実話ベースなのでドラマティックな展開がないのは仕方ない、と見るべきか、単にドラマの構成がイケてなかったのか…
自分の琴線に触れる作品ではなかった。