平田一

クイーンズ・ギャンビットの平田一のネタバレレビュー・内容・結末

クイーンズ・ギャンビット(2020年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

※予定外の長文レビューになっているのでご注意を(熱が入りすぎました)w

01.オープニング
一言、"大傑作"!

チェスに詳しくないけれど、『完全なるチェックメイト』という作品が大好きで、好きすぎてボビー・フィッシャーの評伝さえ買ったほど(「完全なるチェス 天才ボビー・フィッシャーの生涯」)。

用務員のおじさんからチェスを教わる一連も、負けちゃってムキになって、リベンジしているお二人さん(弟子は師匠に似るものかw)。圧倒的「他面指し」と薬物依存の行き着く一歩。どれもこれもサスペンスに溢れてドキドキしっぱなし。推し俳優・アニャ・テイラー=ジョイの色気と可憐さと…全編もう見せ場だって言っても過言じゃありません!

今は亡きヒース・レジャーがエレン・ペイジを主演に迎えて監督したかった物語(原作はウォルター・デヴィス)、そういったところばかりが最初はメチャクチャ気になった。

けど今はそんなことはどうでもいいほど魅力的。

知らない言葉を毎回知るたび、メモが止められないほどです!

02.エクスチェンジ
ベス・ハーモンの才能を見ててホントに面白い。彼女のチェスの才能は元から持ってたものなのか?それとも精神安定剤の服用の功罪か?どっちなのか判然としないところが大好きです。だって常に観てるこっちは考えざるを得ないから!

03.ダブルポーン
義理の母やクラスメイト、チェスメイト(って言い方ある?)のタウンズとの交流がどういうわけかスリリングに見えてしまう。一種の摩擦と言えば良いか…チェス以外の緊張感はまだまだ慣れていないベス。落とし穴へ落下しそうな怖さを孕んで怖いです…チェスメイトから初恋が芽生えそうなタウンズに、ベスがどこか戸惑う姿にホントハラハラしちゃってます。

『完全なるチェックメイト』でボビー・フィッシャーと対峙したライバルは(ポリス・)スパスキー。

ベスにとってのライバル(?)なベニー・ワッツも登場し(トーマス・サングスター最高!)、どうなるか本当に毎回予測できません!

もはやドラマを飛び越えてる最高の作品です!

辛酸を舐めたベス、敗北から学べるか?

04.ミドルゲーム
将来の神童(?)との対極での柔和な笑顔(ドライブインシアターの会話、双方可愛かったw)。大切な存在だった人間の突然死…感情が上がって下がって、混乱したりの回でした。

まさかあんな結末が、来るだなんてショックです…。

うん。今回色々言うより、シンプルに"観て欲しい"。

それだけを望みます。

05.フォーク
かつては嫌味なチェスメイト、(ハリー・)ベルティックがやって来て、ベスの為に親身になって接するところにまず感動。歳月を痛感したり、同じチェスプレイヤーだから話せることがある。だから別れざるを得ない決断はスゴく苦い…

前々回から印象的なベニー・ワッツもカッコ良いし、心がどんどん不安定になってくベスにも苦しいよ。

毎回毎回、1話1話が高品質。良すぎかよ(ありがとう)!

06.中断
冒頭の急ぐベスにいよいよ直結した途端、"ここまで遂に観たんだ!"っていう感慨でいっぱいです!

ベニーとの関係や、たった一手で詰んだ試合。義父との対立、不安定へ堕ちる心、突き放し(ベルティック、不憫すぎ)…同じくチェスプレイヤーのボビー・フィッシャーもでした。天才的な動きの裏で偏狭性が増したのを。

その心を繋ぎ止める可能性が"原点回帰"。親友との来訪と再会がどう出るか?

今日中に最終回、観れる時間を作ります。

07.エンドゲーム
後世に絶対に、名を残す名作です。

これほどに感動的で、興奮を隠しきれない作品に出会えたことは、最高の喜びです!こんな豊かで、喜怒哀楽、酸いも甘いも凝縮された、盤上と人生を描いた物語はスゴい!マリエル・ヘラーの切ない義母に、ビル・キャンプのシャイベルさん(間違いなく名演です)。自己愛強し、けれど最後に駆けつけたベニー・ワッツ(サングスター、カッコ良い)!チェスメイトから最高の友になった(ハリー・)ベルティック(あのハリー・ポッターのダドリーが大名演)!ベスと不器用なんだけど、素敵な関係のタウンズ(演じるジェイコブ・フォーチューン=ロイド。何だよ心身イケメンじゃん)!もはやソウルメイトだったジョリーンもカッコいい(モーゼス・イングラムのお芝居も超良い)!

そして、忘れちゃいけない。

ベス役のテイラー=ジョイ。

この人はシャマランの『スプリット』で初めて知って、メッチャ個性派なんだけど、なのに可愛さまで装備。クラシカルな雰囲気さえも似合いすぎてる名優で、ハッキリ言うよ。

映画ファンなら知っておかなきゃ損ですぜ!

長くなったので総括。

うまく言えたか分からないが、トータルで完璧だと、断言したい名作です。

またもやNetflix、特大ホームランですね。

作品を作ってくれて、ありがとうございました(全スタッフ・キャストにも)。

長文レビューを読んでくれた方にも、非常に感謝です!


超絶にオススメです!!!
平田一

平田一