トーリターニ

サンクチュアリ -聖域-のトーリターニのレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
4.5
『バチバチ』『柔道部物語』『SLAM DUNK』の良いとこどり、嫌いになれるわけがない。
これ企画した人、朝青龍とか千代大海大好きなんだろうし、漫画やアニメにも大変影響を受けているのだろう。
取組のシーンは、アニメの『はじめの一歩』オマージュだろうか、汗やら反吐やらを敢えて生々しく飛ばしていた気がした。

元力士を起用したキャスティングも素晴らしい。一ノ瀬ワタルがとうとうメジャー級になってきた。彼が素晴らしいのはもちろん、忽那汐里とピエール瀧、余貴美子が秀逸。

OPもカッコ良すぎたし、衣装や小道具が大変良い。主人公が福岡の人間であることも自分にとっては少し嬉しかったり。

特筆すべきは随所に見える「親子関係」と「時代性」。
最初は毒親展開かと思ったが、実はしっかりと絆が描かれていたり、華々しく見える角界の花形が実は悍ましい親子関係だったり、実の親以上の存在たり得る親方と力士の関係性だったりとその様相の描き分けが素晴らしい。
また、「この時代にこんな作品をやるか」といった感想が散見されるが、相撲自体がそもそもで時代に合わないスタイルの競技なのであって、どちらかといえば今やるべき作品だろう。
だからこそのミソジニー的かつルッキズム的な描写などの露悪表現も作風には大変マッチしている。

「聖域」というタイトルは皮肉もたっぷりで最高。
傑作でした。続編出来なそうな気がするが期待したい。