玉造

サンクチュアリ -聖域-の玉造のレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
4.3
一度、国技館へ観戦しに行ったことがある。神事から始まったとされる相撲はスポーツとは違う世界観がある。
歴史ある儀式と伝統の中で鍛えられた力士達の戦い。唸り声、飛ぶ汗、肉弾の音、圧倒された。

伝統に隠れた相撲界の闇を描きつつ、猿桜の成長に揺さぶられる。
バラバラになった家族を憎しみながらも、また元の家族に戻りたいという感情を一ノ瀬ワタルが熱演。本物の力士のような肉体改造は凄い。
父親の為にお金を稼ぐ為に部屋へ。
伝統、礼儀の角界の常識は無視!破天荒で非常識で異端。でもその猿桜に周りの人間の動かされていく。

脇役も個性派俳優が勢揃い。余さんは名女優だが、こうゆう役をやらせたら並ぶ女優はいない!(生活が変わり過ぎじゃないか?)
過去の事件を忘れてしまうピエール瀧の存在感。他、名バイプレーヤーが多数出演し、絵面の濃いこと!
静内の悲惨な過去。台詞もなく、表情だけの演技は難しく、元力士の住さんが素晴らしかった。辛い時は笑う。涙が出た。
完全な男社会の角界。そこに女性記者、女将など土俵に上がる事さえも出来ない女性がスパイスとして存在感がある。以前土俵に倒れた人を助けようと女性看護士が上がった時、「女性は土俵に上がるな」とアナウンスが入った事があった。伝統は大事だが、命の緊急事態でさえもそれを拒むのだ。

8話だけではまだまだ足りない!
猿桜と静内は?横綱へと昇り詰めるまで観たい!
玉造

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