『サンクチュアリ -聖域-』
2023年Netflixより配信。
全8話各、31分～64分。
監督は江口カン、脚本は金沢知樹が務めるが、両者のコンビは江口の商業映画初監督作品である『ガチ星』以来となる。
主演の一ノ瀬はオーディションによって選出されたそうで、本作品が初の主演作品となるそうな。なお、力士役を演じる全ての俳優陣は、専門家の指導の下、1年間に及ぶ肉体改造や相撲の稽古を行っている。
Netflixは2021年4月より日本における実写オリジナル作品の製作の拠点として東京都世田谷区の東宝スタジオと複数年の賃貸契約を結んでおり、本作品についても東宝スタジオにて撮影が行われた。

1500年以上続く日本の伝統文化・大相撲。 　
その戦いが行われる土俵は、まさに『サンクチュアリ（聖域）』。
借金・暴力・家庭崩壊…と人生の崖っぷちに追い込まれていた暴れん坊・小瀬清は、『相撲は金になる』というスカウトの言葉に惹かれ、若手力士『猿桜』として大相撲界に挑む。

Netflixで配信されている日本のドラマシリーズ『サンクチュアリ』は、相撲(スポーツジャンル)の要素を取り入れたドラマで、1時間前後の8つのエピソードで構成されてた。
Netflixの公式ページに掲載された紹介文によると、この番組は『プロ相撲の裏側』を結構マジに描いていました。
ここでは、他の多くのスポーツドラマの映画や番組とは異なり、映像や物語のスタイルよりもドラマチックなプロットが優先され、ユーモアと厳しい現実のテーマのバランスがとれている。
まぁ、相撲ドラマや映画ではあまりない流れだけど、漫画では結構あるプロットなんかなぁと。
『ああ播磨灘』『うっちゃれ五所瓦』『ごっちゃんです!!』『のたり松太郎』位しか相撲漫画は読んできてないが。
全体として、今作品は、グローバルなコンテンツではあまり取り上げられることのない相撲の世界をよく表現しているが、時折、蛇行しがちで、動機に説得力がないのが残念やったが、ハチャメチャな主人公のキャラが笑えて(北九州の方言も懐かしい)個人的には面白く視聴しました。
福岡県出身の青年、小瀬清 / 猿桜が主人公の今作品。
寿司屋を営む両親に守られ、幸せで温かな日々を過ごしていた。
経営不振で店をたたみ、父親は高齢になっても工事現場の交通誘導員として雑用に従事している。清の母は、生活のために無謀にも多額の借金をし、男と関係を持つという極端な生活をしている。
幼い頃に柔道を習っていたにもかかわらず、清は真っ当な仕事もせず、喧嘩やカツアゲとか、その力を悪用する。　
そんな辛くやるせない生活の中で、清は柔道時代からの知り合いで、清を相撲に引き入れようとしていた猿将親方と出会う。
この猿将親方をピエール瀧が演じてて、前情報なしで観たし猿将親方が出てきたとき妙にドキッとした。
お話にもどり、
清は相撲に興味はなかったが、大金が手に入るという話に納得する。
金さえ稼げれば、贅沢な暮らしも女子にもモテモテちゅう、アルアル邪な熱い思いで、
しかし、この若く生意気な男が、神聖な土俵で力士としての役割を果たすまでには、多くのことを学ばなければならない。
お約束通り、今作品は、相撲ちゅう競技(スポーツ)の一部だけでなく、エゴイストの金と権力に左右される様々な側面の深層を本当に掘り下げている。
相撲は日本では、多くの老若男女馴れ親しみ人気のあるスポーツであり、1500年近く続く長い伝統的なルーツがあるため、非常に真剣に取り組まれているスポーツと云える。
この『三役』(相撲で、大関・関脇・小結の総称。)の世界では、互いに恨みを持つ元力士が、新入りの力士がステップアップするための部屋での仲間や親方という重要な役割を担ってる。
清が直面する数々の壁が、このシリーズのドラマの原点となっているかな。
若い力士たちの願いや欲望はホンマ作品によく表れてて、ほとんどの力士は相撲を神聖なものとして崇拝している。
彼らの視線の先にあるのは、相撲のあらゆる階層を登り詰め、最高峰の存在となる『横綱』。
横綱になることはかなり稀なことで、力士には多大な名声と尊敬をもたらす。
しかし、主人公の清、または相撲名で呼ばれる猿桜は、このような根強い伝統や苦労して得た尊敬に興味をしめしてない。
彼はゼニを稼ぐためだけにここにいるのであり、伝統的なスポーツのレスラーとは全く違う。
圓生は道場の中でいつも自慢げで、明らかにプロらしくない態度で対戦相手や観客を煽り、かなりの芸人のようなノリを駆使してる。
このようなことは相撲では許されないし、少なくとも推奨されない。
『サンクチュアリ』では、この2つの考え方の衝突が非常に興味深い。
また、別の切り口として、猿将部屋の取材を任された女性記者・国嶋飛鳥を主体として、伝統と現代の対立にも踏み込んでいる。
相撲は女性には不利なスポーツであり、女性は競技にも土俵にも上がることができない。
国島は、記者として部屋の中に入る機会を得たが、すぐに女性に対する障壁を思い知らされることになる。
アメリカで育ち、世界と全く違う考えを持つ若い女性は、これに反発し、何度もルールに疑問を投げかけようとする。
また、次期横綱と目される新進気鋭の力士、龍貴も、相撲が現代に繁栄するためには、ある伝統的な考え方を変える必要があることに同意してる。
しかし、龍貴も國島も伝統に疑問を抱くことを止めざるを得なくなり、『サンクチュアリ』では最終的にこの問題を完全に取り下げてしまう。
國島のキャラがより不満足な扱いを受けているのは間違いない。
彼女の疑問や正当なクレームの癖が、コミカルな要素として受け流されているからかな。
今作品では、中心的なキャラである猿桜とともに、一定の重要性を持つ他のキャラも紹介されてる。
猿将部屋のクソいじめっ子である猿河、相撲界の新星である龍貴、怪我に悩む熟練の格闘家である猿谷、そして暗い過去を持つ謎の力士である静内などで、全体的に、このシリーズのプロットやキャラは、特にの男たちが交流するシーンでも楽しむことができるけど、個々のストーリーのペースや活用を良くすることは出来たんちゃうかな。　映像面では、スポーツドラマの常套手段である、試合中の接近戦やレスラーの肉体に焦点を当てた演出がなされている。
実際に相撲が好きな人には素人臭さは拭えないが。
スローモーションの使用は、このジャンルの欧米の作品に比べるとかなり少なく、極めて重要な瞬間にのみ見られる。
世界的に見てもあまり開拓されていない世界に足を踏み入れることができるにもかかわらず、今作品は結局のところ、映像、プロット、あるいはキャラにおいて日本臭さ(Vシネマ臭さ)がある。
しかし、今作品が強調する硬質なスポーツに興味を持つ人には見るに値する作品であると云えるかな。

これより、各お話のあらすじを抜粋しておきますが、多少ネタバレに抵触してますし、お読みの際はお気をつけ下さい。

エピソード1
59分。
福岡で荒れた暮らしを送っていた青年は相撲で大金を稼げると口説かれ、故郷を離れて相撲部屋に入門。
だが、反抗的な態度を取り続ける青年は周囲から認められず、相撲にも真剣になれずにいた。

エピソード2
47分。
清は兄弟子に連れられて、気が進まないながらも高級クラブへ。
その後、兄弟子たちからひどい仕打ちを受けた清は、稽古中に怒りを直接ぶつけるべく兄弟子との取組に名乗りを上げる。

エピソード3
49分。
父親の入院費用を工面するため、清は悪知恵を働かせて手っ取り早く金を稼ぐことに。 　
本場所に挑もうとする清に、猿将親方は猿桜という四股名を授ける。

エピソード4
51分。
猿桜は品格に欠ける振る舞いを問題視され、協会から引を迫られてしまう。
おかみさんの助け船で難を逃れた猿桜だったが、 敵対者たちは猿桜をすべく執念深く攻撃し続ける。

エピソード5
53分。
再び膝を負傷して思うように相撲が取れなくなった古参力士の猿谷は、身の振り方を真剣に考える。
その一方、破竹の勢いで連勝を重ねる猿桜は、完全にうぬぼれて慢心しきっていた。

エピソード6
53分。
記者から向けられた言葉が頭に響くなか、猿桜との一番に臨む静内。
その壮絶な取組は、猿桜の心と体に大きな 傷を刻み込む。
その後、静内は故郷を訪れ、自身の暗い 過去と向かい合う。

エピソード7
1時間4分。
相撲に敬意を払い始め、周囲を驚かせる猿桜。 稽古に集中する猿桜の熱は、やがて部屋の力士たちにも広がって ゆく。
だが、猿桜は静内との取組で植え付けられた恐怖 を克服できずにいた。

エピソード8
31分。
引退する猿谷の断髪式が開かれ、大銀杏(おおいちょう)にはさみが入れられてゆく。
新年になって迎えた1月場所の初日、猿桜が相対する力士はあの静内だった。

相撲版のスラムダンクと聞いたけどまさに近い感じがしました。

前半は笑える面白さで後半は魅入ってしまう面白さ。

家の近くは九州相撲場所が近いので時期になるとお相撲さんが近所うろうろしてますがこれからは観る目変わりそうです😳


1人だけじゃなく相撲場所全体で成長していく姿カッコ良かったなぁ🥲

シーズン2ぜひ製作して欲しい🙏

相撲界のタブーに切り込んだ話題作‼︎
前回レビュー作”ヴィレッジ〟でインパクトを残した一ノ瀬ワタル主演ということで。
Netflixオリジナルドラマ作品。


北九州で生まれ育ち、家庭環境に問題がある悪童が金稼ぎのために相撲部屋に入門し、あらゆる出来事を通じ人間としても力士としても成長していく様を描いた物語。

相撲協会の内紛、相撲部屋の実情、パトロンや後援会との関係性、そして八百長といった相撲界　のタブー。
脚本は荒削りで展開は雑ではあるけど、相撲界に繋がりがある知人によればかなりリアルな内容だとか。
”全裸監督〟ほどのダイナミックさはないものの、熱さと激しさがここにもある。

”全裸監督〟”サンクチュアリ〟…地上波では決して放送できない聖域に切り込んだNetflixオリジナルドラマを観れるだけでも、Netflixに加入する価値があると改めて思わされます🤔