ファンタジー、ミステリー、ラブロマンス、コメディ、ホラーといったいろんなジャンルの要素を綺麗に詰め込んだ作品。
あらすじは銀行に勤めている主人公サムには恋人がおり、デートをしている夜道に何者かに襲われて殺されてしまい幽霊となってしまう。幽霊となったサムは自分が殺された全貌を突き止めるべく動き出すー。といった話である。
本作品の鍵を担う登場人物としてウーピー・ゴールドバーグ演じる黒人の霊媒師が登場する。彼女はインチキ霊媒師としてお金を稼いでいたのだが、サムと出会い本当に霊媒師としての能力が目覚める。
この役割が黒人女性であったのは当時の黒人たちをとりまく時代背景が見えてきて興味深かった。前科持ちで、底辺層が住むところに暮らし、姉妹には太っている者がおり、お金に目が眩む。これらの要素をこの霊媒師に与えたのは、監督の「黒人は貧しく犯罪を犯すような奴らばかりだが、いい奴もいるんだぜ」みたいなメッセージを感じ取ってしまった。公開された1990年では今よりも白人優位な社会であったことが窺えた。
主題歌の『アンチェインド・メロディ』も良かった。