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金の糸のすのレビュー・感想・評価

金の糸(2019年製作の映画)
4.0
エレネがときどきカメラ目線で話すメッセージが強い。「過去を乗り越えたら、後は未来を楽しむだけ」
歳を重ねた監督(91歳)の作品だからこその重みがある。

ウクライナと近い境遇にあるジョージアの作品。
「信念(principleみたいな発音で、字幕では「原則」と訳されていた)が対立していても、思いやりを持って相手を理解することが大事。相手を思いやることもひとつの信念だ」というアルチルの語りが印象深い。
かつてソ連高官だったミランダ、鼻につくキャラクターかと思ったけど、徐々に優しさや孤独が描かれていった。心から良かれと思って一生懸命仕事をしていたのに国がひっくり返ってしまった感じだったんだろうな、とミランダ側の心情も察することができる描き方、好き。

エレネがミランダのことを「ローザルクセンブルクみたいな女」と表現していたから、帰りに寄った古本市にローザルクセンブルクの本があって、おっ!と手に取った。

字幕: 児島康宏さん(ジョージア在住の研究者さん!)
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