地獄という名のフィルティペットの脳内巡り。
グロテスクなモノに満ち溢れた中から取り出されたものは確かなきらめき。
ほぼセリフがなく、映像で勝負の映画 84分ながら見終わったあとひと勝負したかのように息があがり、独特の疲労感が襲う。
グチャドロかと思えばメカっぽく、自らを燃料に自らを処刑するシステムを回す地獄、、、これは仕事の暗喩では、、、
多種多様、悪夢を観ているかのような地獄めぐりをいっぱい眼球に流し込まれていくが、ある時からバイクで何もない驚くほど静かなところを走るシーンに入る。
ここが恐ろしく心地よく、夢を揺蕩うような気分にさせられる。
この映画はフィルティペットの夢から多くインスピレーションを得ているということなので、あの地獄は夢そのものということなのではないか。
主人公は劇中のように幾度も送り込まれ、その経験を徹底的に調べられる。
中から奇跡的に生まれたモノを抽出し、煌めく創造が起こる。
それは自分自身の触れえざる部分に触れる危険な行為。
いつか自分の創作意欲が枯れるかもしれない自殺行為の地獄めぐり。