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猿の惑星のすべりのっとのレビュー・感想・評価

猿の惑星(1968年製作の映画)
4.3
猿が言語を喋り法を語るなら人類は対等に扱えるのか?ヒトの愚かさを笑うなら反論できるのか?
「人類よ、ひれ伏せ」は最新作の文句ですが、この作品の人間は競争相手ですらない完全な害獣扱い。猿には家畜化以前の下等な獣。
現代社会にこそブッ刺さるシリーズ最初にして至高の作品。

物語は地球に帰還する宇宙飛行士が猿の惑星に降り立ち「人類の賢さ」を証明しようとするというシンプルなもの。
あえてそこだけに絞っているのが映画的な妙。
「人類は賢いのか?」という究極の問い掛けになっていて挑発的な映画に仕上がっています。
現在盛り上がってる差別問題なんて前提からひっくり返るくらいショッキング。

チャールトンヘストン演じる主人公は未来人類の抱える問題に嫌気がさして人より優れた種との出会いを望むニヒルな男。
そんな彼が進化した猿のコミュニティに放り込まれたのは必然だったのか。
進化した猿が長年の言い伝えで人間を封じてきた真実に辿り着くまでの物語。