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グレイマンのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

グレイマン(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

 本作における赤と青の配置の中の黄色の照明の位置づけ、色の変化やフレアを見るにつけ、ここ数年映画で一番進化したものって照明とポストプロダクションなのかもという気持ちになってしまった。
 でも007もミッションインポッシブルもタクシードライバーもぶち込んだプロットやキャラクター造形は緩々だったよなぁ。しかもこの撮影と編集はかなり「アベンジャーズ」だったり。銃撃戦におけるカメラワークを室内の会議の場面でもまんま使ってたりして笑ってしまう。この後どうなると息をのむような瞬間も複数の状況を間に挟んでしまうがゆえに緊張感が途切れてしまう。マーベル印ともいえる群像劇的な処理をそのままもってきてしまっているのは頭を抱えた。カメラの動きは運動や移動をとらえるよりも臨場感をとらえることに腐心したもので、「映画」というよりは没入感とアトラクションを重視したもの。
 大作映画がネットフリックスで作られ、それに最もふさわしい環境である映画館ではあまりかからない、しかしストリーミングでは誰でもどこでも見られるというこの矛盾は不思議だ。

(どうでもいいけど自分はアナ・デ・アルマスが好きらしい。『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ではカッコよさが勝っていたし、なんならハイライトだったとすら思うんだけど、今回は投げられまくりでちょっとかわいそうだった。彼女の声の細さもよりそう思わせるのかもしれない。でもこの認識もタイプキャストかも知れないから黙って飲み込むのみである。)
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