爆裂BOX

プレデター:ザ・プレイの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

プレデター:ザ・プレイ(2022年製作の映画)
4.3
Disney+「スター」にて配信されていた「プレデター」最新作が、セルでDVD&BD発売されたので鑑賞。
舞台を300年前に設定し、狩りを行い生きるネイティブ・アメリカンのコマンチ族の少女ナルに突如現れた見えない怪物の脅威が襲い掛かる。ナルは戦士の誇りをかけて戦いを挑む…というストーリーになっています。
原点回帰したような印象受ける作品で、プレデターファンとしてはかなり楽しめましたね。
前半は主に主人公ナルが属するコマンチ族の狩猟採集生活を描くことに費やされていて、プレデターの暴れっぷりやプレデターとの対決期待する人には退屈に感じられるかもしれませんが、雄大な自然を背景に描かれるライオン狩りやグリズリーとの遭遇などが描かれて飽きずに見れました。特にグリズリーに襲われる所は、グリズリーの迫力凄くて怖かったですね。
虫がネズミに食われて、そのネズミを蛇が食う食物連鎖を感じさせるシーンや、そのヘビをプレデターが狩って皮を剝ぐ所は食物連鎖の頂点に立つ捕食者と感じさせて良かったですね。狼との戦いやグリズリーとの戦いも見応えありました。特にグリズリー戦は正面からガッツリぶつかり合って、傷負いながらもワンパンでグリズリーの首へし折る所「オオ!」っと思いました。流れ出る血で姿が露になる所もカッコいい。ナルを連れ戻しに来てプレデターと遭遇するやられ役のコマンチ族の戦士たちも、あんな姿の見えない見た事ない怪物に正面から戦いを挑んでいく勇敢さが格好良くて良かったです。
今回プレデターは過去作よりも面長になっていて、クラシックともバーサーカーとも違うタイプのようですね。今回はキャラの掘り下げもされず、純粋に主人公達の脅威の対象になっているのも一作目を彷彿させます。マスクもフルフェイス型ではなく、骸骨のような造形で簡単に顔に装着できるタイプになっています。
今回プレデターの使う武器やギミックも今までとは違っていますね。いつもの必殺武器であるプラズマキャノンも、レーザーサイトは付いてますが、発射されるのはスピアになっていて、自動的にホーミングする機能も付いています。拘束した相手の肉に食い込むネットも今回は巻き付いた相手を瞬く間にミンチにする凶悪な威力に。ガントレットの自爆機能も今回はコード入力してカウントダウン後に小さい円盤が起動して獲物を追尾して爆発攻撃する仕様になっています。敵の攻撃を防ぐ円形のシールドはそのまま斬撃武器としても利用できる優れもの。
プレデターを捕えようとする白人開拓者の集団をこの武器を使って大虐殺していくシーンはテンション爆上がりしましたね。シールドも使いながらも途中から攻撃物ともせず進んでいく姿カッコイイ。白人たちが使う銃も火薬詰めるのに時間がかかるので結局なすすべなくやられていくのもプレデターの強大さ示すのに一役買っていましたね。
「アイス・ロード」にも出てたアンバー・ミッドサンダー演じる主人公ナルは、自分も狩りで才能示したいと熱望するも、前半はシカやウサギもろくに狩れず、ライオンとの戦いでは木から落ちて頭打って意識失ったり、底なし沼にハマって死にかけたりとプレデター相手にするには役不足感半端ないですが、薬草の知識や相手の行動観察して習性や弱点見抜く観察力など知力を絞って戦力外となめてかかっている相手に戦いを挑んでいく姿が良かったです。人間相手には結構戦えてましたね。彼女の愛犬サリーが彼女をサポートする良き相棒になっているのも良いですね。獲物を追い掛けるのに夢中になってナルが底なし沼にハマってるのに気づかず、自力で生還したナルの下に獲物咥えて申し訳なさそうに帰ってくるうっかりさんな所可愛らしかった。
ナルの兄タアバもナルに厳しい事言う時もあるけど、基本的にナルに優しくて彼女の才能認めて応援してる所良いですね。白人キャンプでのタアバとプレデターとの一騎打ちは一番アツくて迫力あって楽しめました。
ナルとプレデターとの最後の戦いも、薬草の知識や死にかけた経験などを活かした知力を絞った戦いになっていて、体力的なハンデを覆し女戦士としての成長感じさせるものになっていました。最後の決着もプレデターの武器の特性を利用したもので「なるほど!」と思いましたね。
「血が出るなら殺せるはず」や最後にナルが手にしたマスケット銃などの過去作へのオマージュもシリーズファンならニヤリとします。でも「2」でエルダープレデターがあれ持ってたってことは、あの後プレデターに奪われるのかな?エンドロールの壁画風のアニメでも最後宇宙船来てたし。後、アラン・シルベストリのあの音楽はエンドロールで流してほしかった。
「プレデター」シリーズとしては狩るものと狩られるものの知恵を使った戦いや、純粋に脅威として描かれるプレデターなどの原点回帰感じさせる要素など非常に楽しめました。