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黄色い雄牛の夜のsashaiceのレビュー・感想・評価

黄色い雄牛の夜(1996年製作の映画)
4.4
ベルディムハメドフ長期独裁政権下で、未だに閉ざされたままの貴重なトルクメニスタン映画。地獄の門で有名な!いつか絶対行ってみたい謎に包まれた神秘の資源大国から届いたソ連スターリン政権真っ只中の作品。人類史上で有数の被害の大きさを記録し、その地域の3人に2人が亡くなったという衝撃のアシガバート震災(1948年10月8日)の夜がテーマ。母国ではニヤゾフ独裁政権樹立後に政治的な喧騒と芸術への締め付けの中で上映禁止になった作品。生き物の動きや異変で地震を予知して「街から出た方がいい」と言い回って逮捕されたおじさんの話すごい。「科学が幸せを呼ぶ」と謳うくらい非科学的な迷信を信じる国民を不気味がるソ連らしいエピソード。
主人公は最初のトルクメン人、いわゆる伝統的なトルクメン人として生きてきた人々が急にソ連人としての新しい生活様式を強いられるようになった"奴隷世代"。戦争で父を亡くし、震災で母と兄弟を亡くすという悲劇に見舞われながらも"アシガバートの復興のために残りの人生を生きることを決めた強き少年。復興してビルが立ち並ぶアシガバートの様子をこの目で見てみたくなりました。トルクメニスタン関係ないけどサンクトペテルブルクのガレリアでウズベキスタン人にアジトに連れていかれそうになった話思い出したw 中央アジア人の浅黒い男性の顔見るとフラッシュバックのように思い起こされるロシアでしか起こらなさそうな恐怖体験。
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