チネマット試写会で細川岳目当てに鑑賞
相変わらず細川岳はカメレオン俳優で、佐々木やヴァニタスの役とは完全な別人に見えるのが凄い。最初の方はかなり不安な演技だったが、後半はもうさすがだと見とれていた。
愛とセックス、=で結ぶことは出来ないけど、確かな因果関係のある2つのファクターを巡って複数の男女が未練と直情の物語を演じる。
はっきり言ってしまうと、超苦手な題材である。そしてこのジャンルだと『宮本から君へ』という大傑作がある為、他がどうしても霞んでしまう。
ゲーテの「わたしが君を愛しているとして、君がそれとなんの関係がある?」という精神に基づいた『宮本から君へ』の愚直で蛮勇な愛し方に惚れてしまったので、本作の煮えきらなさと空虚な"愛"という言葉に琴線は響かなかった。ただラストの「入らねぇだろうが!」の下りは最高でした。
愛は一つ、セックスはいっぱい。正論が正論として機能しない世界を描くのは難しい。