arch

BLUE ブルーのarchのレビュー・感想・評価

BLUE ブルー(1993年製作の映画)
3.2
デレク・ジャーマンの遺作(?)。エイズによって盲目になった監督が自身の体験や感情を、画面一色の中で、断片的な日記か詩の朗読という形で描いていく。

彼の徐々に視力が失われていく感覚を青一色で追体験する試みは、それこそ最初は飲み込めないが、彼の戸惑いや怒り、絶望が伝わってくる言葉の数々によって、監督の追体験として成立していく。途中で病院にいる患者に脳内で悪態をついていて、その荒んだ心境が切実で良かったりする。

筋書きのようなものがある訳でもなく、断片的であるが故に若干頭に残りづらく、人にはおすすめできる作品じゃないが、エイズによる理不尽な最期に対しての非常に直接的な《意思表明》として素晴らしいと思う。
arch

arch