くりゅー

ONE PIECE FILM REDのくりゅーのレビュー・感想・評価

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)
3.9
【カテゴリ:ミュージカル映画※】ではないと思いますが、『リメンバー・ミー』のような、作中内で実際の歌唱をしているという、命名するなら【音楽ライブ映画】というか、まぁそんな作品だったなと感じました。
※ミュージカル映画は、自分の感情が高まったときや言いたいことを言葉としてアウトプットするのではなく、歌として表現する作品カテゴリだと認識しているので。今作はあくまでミュージカルではなく、楽曲(ライブ)シーン盛り沢山の映画という感じ。

でも話の要所要所に楽曲が挟まってはくるので、ミュージカル映画が苦手な人は印象として一緒だと思うし、苦手な作品だとは思います。『ONE PIECE』とか、普通のアニメ映画とはやっぱり毛色が違う。
「ウタという歌姫のプロモーションを、映画丸々使ってやりました」に近い印象を持ちました。それくらい楽曲と切り離せない作品だったと私は思う。

と、いうことで、ミュージカル映画は好きだし、私は楽しめたので、シャンクス点のスコア3.9にしました。
ここからはネタバレありのレビュー(という名の長文ヲタク語り)をしていこうと思います。暇な人はお付き合いください。

まず、シャンクスの新情報がちゃんとあったことが嬉しかったです。連載当初からずっとシャンクスが好きな私にとって、久しぶりの推しの新情報。泣いた。何を言ってるかわからないかもしれませんが、鑑賞中に涙が出ました。人は推しに対する激重感情で涙を流せるものらしい。
だって、シャンクスの赤ちゃんの頃の視点から見るロジャー船長とレイリーさん。ちょっと待ってくれ、ふざけないでほしい。詳しいプロフィールが「西の海出身、現在39歳、覇王色の覇気が使える、四皇の一人、ミホークの好敵手、五老星と話せる地位」くらい(?)の謎多き推しの、出生!!いや、実際の出生はわからんが、赤ちゃんの頃からロジャー船長が育ててくれたんだという確定描写を得た私はどうすればいい?たったワンカット、それだけで情報過多でした。入場者特典にゴッドバレーのネームが載ってたのでマジで全人類読んでくれ。あ、でもそれを読んで余計シャンク複数人説とか唱え出して人工人間とか言われたらどうしよう。は?シャンクスは唯一無二ですぅー!!!(は??
というかプロフィールが掘られてないのに、こんなにキャラクター性が確立されてる推し。義理人情。仲間に対する想い。はー、推しが推しすぎる。強い。好き。ほんとシャンクス黒幕説とかね、そんなもんはないんだよ。
そもそもONE PIECEって作品の"黒幕"ってなんぞや!って話でしょ。"ラスボス"ならわかるよ。シャンクスとルフィが闘って、シャンクスに「立派な海賊になったな」って言ってもらえたルフィがシャンクスに麦わら帽子を返すっていう、存在しない記憶なら私にもあります。40億回は見たね。うん。
でも"黒幕"はいないんじゃないって、私は思うんです。だって主人公のルフィの目標は海賊王(のその先もあるけど)、その過程の旅路で友達(仲間や助けてくれた恩人)が困ってるから敵となる人たちが生まれて、だから闘うわけで。
今作でも言ってたけど、闘う理由がなければルフィは闘わないじゃないですか。だから黒幕って言葉はしっくりこないなって、個人的に思うんです。何を仕組んでんだよって感じ。

というか入場特典!
【もしかしたらシャンクスも"SECRET"】
いや、もうズルすぎん?推しが推し。
またしても推しムーブしてくる。
彼の魅力はその語られてなさなんだな、と。
ありがとう。ずっと好き。

シャンクスの話は尽きないのでこれくらいにします。今作で注目したい新情報は私の中で2つでした。

・ルフィ「(海賊王になって)新時代を作る」
・ヤソップとウソップが見聞色の覇気で繋がる

でした。

ウタに「海賊王になってどうしたいの?」って聞かれたときにそういうニュアンスで答えてましたよね?ルフィの夢(=海賊王)の、その先が明言されたの初めてですよね…?私、本誌を見逃してるのかな。誰か教えてほしい。鑑賞中に「え!!?新時代を?作りたいの!!!?」となった。
ワノ国編では「みんなが笑って、お腹いっぱい食べられる国にしよう!」って感じで、闘ってたじゃないですか。それを全ての海規模でやるぞって気持ちが、今のルフィにはあるのかなって、深読みしちゃいました。ルフィが精神的にも大人になっているんだなと、勝手に何だかしみじみ。
そういえば、ラストバトルのシャンクスとの共闘後の引きの画で、ニカ姿のルフィも出てましたね。知らない人は「ん?」ってなったのかな。知ってても時系列を考えちゃって「ん?」になっちゃいますけどね!映画はパラレルと割り切るようにしてるけど!!

そしてヤソップとウソップの親子の繋がり!
は???ですよね。よすぎてキレた。
ウタとシャンクスの親子喧嘩の最中に、親子が繋がんじゃねぇ!そんなんテンション上がるしかないでしょ!!私はここでも泣いた。
本誌バレになるので細かくは書きませんが、まだ先になるだろうヤソップとウソップの再会に近いことを映画でやるなんて…そこのエピソード、原作でもちゃんとくれよ……頼むよ???という気持ちになりました。熱かったなぁ。最高だった。でも原作での再会のハードルが上がったし、取っといてほしかった気もする。難しい。
今回はヤソップの見聞色の覇気に呼応してって感じで見られたので、本編でウソップが意識的に見聞色を使えるようになっていくのが楽しみです。まだ予兆が出たくらいですもんね。


楽曲がよすぎて、楽曲制作陣に拍手喝采でしたし、それを歌い上げたAdoさんほんとすごい。ウタとAdoさんがリンクしてるようにも感じられて、現代社会としても考えさせられる作品だったなぁと思いました。偶像化していくインフルエンサーとしての自分と、実際の自分との差に苦しむ姿というか。
ライブのときにファンに語りかけるウタが棒読み感あるなぁと思ったら、名塚佳織さんのインタビューで「人前でライブをしたことがないので、慣れてなさを出した」みたいなことを仰っていて、はぁ〜〜天才。と思いました。パンフレット読んでください。
Adoさんの歌唱は、明るい前向きな曲より苦ししみや怒りや悲しみの方面の曲のほうが、ウタの表情とも合ってるなぁと感じました。それもパンフレットのインタビューでAdoさん自身が「怒りや哀しみのほうが表現しやすい」と仰ってて、自分に対する理解度が高くてすごいなって思いました。ほんとすげぇな…。

セルフオマージュもよかったですよね?
ベックVS黄猿のとことか、ルフィの「当たり前だ」とか。よかった、よかったなぁ。
ウタを残して島を去る赤髪海賊団の背中が、ビビと別れたときの麦わらの一味と被ったのも意識的なんだろうな…。そんなオマージュも感じられた楽しい作品でした。
共闘のところでウィーアーが流れるのも最高。ポケットのコインで麦わら帽子を回すルフィからのシャンクスを私は忘れていない。

エンディングで、カヤとかノジコとかの姿も見られてよかったです。そういえば、過去の扉絵でマキノさんが抱いてた赤ちゃん、エンディングで村長が抱いてましたよね。誰の子なんですか。気になる。わざわざエンディングにその赤ちゃんが出てくるって、今後のなんか重要なアレありますか。そわそわする。主にシャンクス周りのことで。

ウタは残念ながら亡くなった(まーね!原作に逆輸入とかそうそうしないし!映画はどうしてもパラレル軸な部分も多くなっちゃうから、そうしないと今後が難しいのだろう)けども!ウタの歌声は世界に残り続けてみんなの心を癒やすんだなぁと思うと、いいエンディングだったなと思います。

特典冊子を読み込んで、もっかい観たい。
ラッキー・ルウ!あんたコックなんかい!!
食べる専門の人かと思ってたよ!!みたいな。
赤髪海賊団の新情報満載でしたのでね。
え、これ既出です?ベックが女好き…死んだ。
ホンゴウ船医最高にカッコよかったね。
追えてないとこもいっぱいありそう。
推し周りのことには詳しくいたい。

新時代の前に、新情報をまとめたONE PIECE本を公式から出してほしいと思いました!あとエレジアの音楽学校?の制服めちゃくちゃハリー・ポッターの寮の組分け色だったですよね!


2回目見たら追記します!終わり!
くりゅー

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