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ホリック xxxHOLiCのdm10foreverのレビュー・感想・評価

ホリック xxxHOLiC(2022年製作の映画)
3.6
【ようこそ、音と映像のアート展覧会へ】

「dm的映画祭inGW」の3本目はこちら『XXXholic』です。

まぁ、大前提として蜷川実花監督という時点で、お話し云々よりも「目で楽しもう」という期待ですね。
今年のGWは最大10連休ですか?
一体どうやったらそんなに休めるのか僕にはよくわかりませんが、コロナを抜きにしても遠出をすると最後に帰ってくるのが面倒なので、極力近場で済ませるdmです。

っていうことで、遠出をしなくても見られる美しいものという事でチョイスしてみました。

やっぱり映像は美しいです。
これはやっぱり何だかんだいっても「百聞は一見にしかず」です。

特に藤の花(藤棚)と光の映像はそれだけでも癒されます。
基本的にラベンダーなど紫色の花にはリラックス作用もあるそうですし、また昨今の「鬼滅ブーム」も相まって、藤の花が咲き乱れる風景に心なしか安心感のようなものを感じるようになっているのかもしれません。

・・・ただ、美しい景色だけを眺めるために暗い映画館に篭っているわけでもないわけで、そこはやっぱりある程度「物語」も必要なわけですが・・・・。

薄い。

根本的な話として、この作品はたしか漫画原作なんですよね?
原作未読なんでよくわかんないけど。
で、映画化されるくらいだから1巻で完結ってわけでもないんだろう。
それを2時間そこそこにはめ込もうとすることで歪が生まれるのは今まで何度も繰り返されてきたはずなのに・・・。
まだ学習せんか!?

キャストがどうのこうのといっているのではありません。
神木君も柴崎コウも里帆パイも、あと里帆パイと、それから里帆パイも。
みんな良かったと思います。
幻想的な世界観の中で誰一人ぶち壊しのキャラはいなかったと思います。

ただ、やっぱり詰め込み過ぎ・・・いや逆か、根本的に詰め込みもあまり出来ていないような印象を受けたんだけど、これは原作を読まれた方はどう感じたんだろう?

人間の中に巣食う禍々しい「あやかし」って、そんな上っ面の表面的な話で表現されてもあまり染みてこないっていうか・・・。

ワタヌキ君が死にたくなるくらいに悩んでいたのに、今まであの「ミセ」に出会えなかったのは何故?
ひまわりちゃんもそう。
きっとその辺は原作では触れているのかもしれない。
でも、そういう部分がフワフワしてしまって、ノイズとまではいかないけどどうにもお話が入ってこなかった。

・・でも、そもそもこの映画にそんな事を求めるのは野暮なのかもしれない。
何故ならこれは「アート作品」であって、そこに広がる物語は「観る側の感性で作り上げるもの」だから(笑)
・・・いやいや、だったら原作ありきの作品はやめようよっていう。

冗談はさておき、個人的には途中から「目で愉しむ」という事に特化したので、それなりに愉しめた気はする。

先にも書きましたが、今回鑑賞するに当たっての99%以上の理由が「里帆パイ」ですよ。
え?里帆パイって何?ですと?
・・もうそのまんまです。
CMとかでもチラチラ映っているのでご存知の方も多いと思いますが、吉岡里帆ちゃんのお○パイの圧が凄すぎる。
これでもか!と言わんばかりの自己主張(まさに『ド~ン!きつねさん』)
彼女に関しては最初から最後まで一切手抜き無しです。

いや~眼福ってこういうことなんだな~ってしみじみ実感。
なんならそれだけのためにもう一回観に行ってもいいくらい(それはない)。

あと、ユウコさんのミセにいたモロ役のモトーラちゃんも不思議な魅力があって目が離せなかったな。
結構好きなのかも・・・。
以前「猫、かえる」っていう短編で見かけたときよりもとっても幼く見えたのは役のせいなんだろうけど、こういう表情も可愛いな~って思いながら何気に目で追ってた。

そんな感じでキャストに関しては個人的には満足。
ドウメキ君役の松村北斗君も上手だったと思います。
感情の動きが少ない役で難しかったと思うけどね。

まぁストーリー云々に文句はありません。
それは原作を読めば言いだけの話なんで。
問題は映画として成立させるための「二時間分の構成」に工夫が感じられないことなのかな・・。
原作(物語)の表面だけペロッと剥がして切り貼りしたような感が否めない。
映像だけでは二時間は持たないよ・・。

ダイナーのときはもうちょっと好意的に観れていたはずなんだけどな~。
今回は里帆パイに免じてスコアは及第点です。
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