メタモルフォーゼの縁側のyoshiyukiのレビュー・感想・評価

BLマンガという、残りの人生の拠り所になるものに出会えた雪さんの実感が込められていた作品であった。実話をベースにした作品でもないのに。夫に先立たれた雪さんが、本気で心を許せる相手に出会えて、心が再生したという事実だけでも、すごく尊い。本作は、うららと雪という世代の違う2人の人間が、漫画を作るという行為を通じて、自我を生成、あるいは再生していく作品である。年齢は重ねても、心動かされるものがあってもいいと我々に教えてくれるなんて、なんて心優しい豊かな作品であろうか。