小説家の夫が死んだ。小説家は夫殺しの容疑をかけられ、泥沼の裁判に突入するー
台詞が多かったから細かいところを掴むのには苦労したけれど、152分間めちゃくちゃ引き込まれた。
本作の重要人物は小説家の息子ダニエルだと思う。母親のサンドラが犯人かも知れなくて、サンドラが犯人だと「決めつけられる」ことを恐れていて、それに葛藤するところが胸を打つ。でもダニエルが心の葛藤とかを何とか解決しようとしている過程を本作で見せてくれたのがとても心を動かされた。ラストの証言とかも、「自分なりの事実を話そう」というのが伝わったから、「わからないこと」にどう向き合うかということに折り合いをつけようとしていたのかなと思う。
真実は一つじゃなくて、物事を捉えている人の数だけあるよという作品。サンドラが話す言語を変える瞬間、検察側の鋭利な尋問とかの、映画的に引き込まれるシーンが多かったことも踏まえて、見応えのある作品だったと思う。主人公達をめちゃくちゃ追及する検察の人と、犬のメッシくんの演技は最高。
