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私だけ聴こえるのmhのネタバレレビュー・内容・結末

私だけ聴こえる(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

トーク付きのシネマカフェオンライン試写会で拝見しました。

耳の聴こえない両親から生まれた耳の聴こえる子どもたち「コーダ」にスポットを当てたドキュメンタリーです。

開始十数分からちょっと泣いてしまった。

最初の方に日本の東北震災で津波にあったろうの方とその息子さんのインタビューがあるものの、あとは全てアメリカの若者(15歳)のコーダコミニティーのキャンプに参加した子たちをそれぞれ追って行くドキュメンタリーです。

ろうの親の元に生まれたコーダはあの映画同様、「自分もろうに生まれたかった」「話すのが苦手」「理解されない」などなど多感な時期にあって悩みを抱えています。

コーダのキャンプに参加するとそこが本当の自分を曝け出せる場所になり、「第2の家族のようだ」「ここから帰りたくない」と皆一様に言ってるのが印象的でした。

ろうの家庭で育ってきたけれど自分はろうではなくて、どちらの世界にも属せなくて悩んだり葛藤だったり
あの映画にあったようなセリフがリアルに次々と出て来ます。

そんな様子がとても分かりやすくまとめられてました。

アフタートークで、監督さんの話によると、この作品を撮り始めた頃はまだコーダという言葉が日本では浸透していなくて、この作品にも登場する手話通訳の方を通じてコーダのことを知り、概念が確立しているアメリカで撮ることにしたそうです。

現在は日本に於いても「コーダ」をテーマにして撮ろうと準備中だとか。

コーダの子供たちが言うことは「同情しないでくれ」「仲間が欲しい」ということだそうです。

コーダをテーマにしているけれどコーダだけに限らず居場所が無いと感じるのは普遍的なことなので、気楽に観て欲しいと、そんなお話でした。

日本にもコーダのコミニティーがあるようで、他にもSNSやyoutubeで発信などされてる方もいるそうです。 
ちょっと見てみようと思いました。

全編日本語のシーンにも字幕が付いていて、簡単な状況説明も字幕があるためろうの方もご覧になれるようになっています。

リアルな声を是非聞いてみて下さい。
mh

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