ドラマも視聴済みで鑑賞。
ドラマでは恋愛として結ばれるまでを描き、映画では生涯のパートナーとして絆が結ばれるまでが丁寧に描かれている。
おっさんずラブのような、劇場版だから無理やりスケールアップしました感は全くなく、ドラマで見せてくれたキャラクターや背景がそのままで、もう少し視野を広げたリアルな世界観で、本当に「キャラクター達が1年ぶりに帰ってきた、あの2人の物語の続きだ」って感じがしてとても嬉しかった。
よくBLものって「ゲイからみたらリアリティに欠ける」とか言われがちな気もするが、この物語はもともとノーマルな2人が人としてお互いを好きになり、それがたまたま男同士だったということだと思うので、ゲイの恋愛ではなく安達と黒沢の恋愛だったらどうかという視点で作り込まれていて、役者やスタッフたちの思い入れも伝わってくる。
好きなシーンは両親への挨拶シーン。
特に、榊原郁恵演じる安達ママが、驚きと困惑と息子への愛を現すシーン。一番のハイライトと言ってもいいかもしれない。表情と潤む瞳、あの郁恵スマイルが何もかもをホッとさせてくれた。その後の安達パパと黒沢との将棋シーンもグッときた。更に黒沢家に挨拶に行く安達のシーンも。もう家族へのカミングアウトシーンは本当に劇場内全員が息を飲ん出る気がしたし、自分の事のように胸が苦しかった。
好きになったもの同士が生涯を約束することとは?家族になるとは?という結末に向かって、同性愛の枠を超えた安達と黒沢の物語に立ち会えたことを本当に感謝している。
素敵な作品をありがとう。