白組の仕事なのでVFXも水準の出来栄えでファンタジーとして楽しめはします。時期的にも夏休み映画の括りではあるのでしょうが、果たして今時のお子様たちは本作を観て喜ぶのか？が疑問でなりません。
山崎貴監督としては監督デビュー作『ジュブナイル』以来となる文字通り“ ジュブナイル”ものへの回帰作品になる訳ですが、映像の進化以外は22年たっても何ら変わっていない感じです。
霊界に入って変化する建造物のヴィジュアルとかは作り込んであって愉快なのに構成に上手く融合せず取って付けた感じが否めません。子供達に終始纏わり付くわざとらしさはキャスティングの失敗としか思えません。悪いのか良いのかが至極曖昧なオバケ達のフンワリ柔らかい感じも魅力薄です。思いのほか出突っ張りガッキーの救いがあって良かったです。
ラストのオマケ映像からすると、この後に何本も続編を作る気満々みたいですが、今日の公開初日の入りからすると厳しいのではないでしょうか。オリジナルストーリーで勝負出来るクリエイターとしては貴重ですが、山崎貴監督は『アルキメデスの大戦』あたりの路線を極めた方がよいと思います。
