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ツイスターズのmoobyooのレビュー・感想・評価

ツイスターズ(2024年製作の映画)
4.5
28年前に公開されたヤン・デ・ボン監督の『ツイスター』の続編ということになっていますが、登場人物に一切関連性がなく物語が続いている訳でもないので、事実上はリメイク作品だと思います。スピルバーグが製作総指揮なのは変わらず、前作でプロデューサーだったキャスリーン・ケネディはディズニーに行ってしまったので本作には関わらず、代わりに共にアムブリンの創設者で実夫のフランク・マーシャルが製作に名を連ねているのが何気に嬉しいです。

竜巻のメカニズムを研究し追跡しながら消滅させる方法を探求しているストームチェイサーであるヒロインのケイトを演じるのはデイジー・エドガー=ジョーンズで『ザリガニの鳴くところ』に続き大作への本格主演作となり今後がますます楽しみな存在です。ハングマン役で『トップガン マーヴェリック』から一番の出世頭となったグレン・パウエルがケイトの相手役となるタイラーを演じ中々に魅力的な布陣で楽しませてくれます。恋愛要素を敢えて広げていない感じも良いです。

所謂ディザスター映画の一角ですが、むしろ往年のパニック映画群へのリスペクトを強く感じる災害からの帰還というテーマが明確で、大竜巻が猛威を振るう派手な破壊シーンを畳み掛け、竜巻の中へ放つ観測装置の名称が前作と同じ“ドロシー“なのも郷愁感をそそります。そして何よりリー・アイザック・チョン監督の『ミナリ』の次の劇場用作品が『マンダロリアン』を経由して本作というのが驚きと同時になるほどなとも思います。

いち早く気象の変化を読み取り竜巻の発生場所を予測し、その竜巻に突進して行く繰り返しという単純明解な流れなので、小難しい要素は二の次であり、ズシリと響く重低音と劇場空間をグルグル回る竜巻音の音響効果を見事に再現するIMAX上映の醍醐味を正しく体感できる映画館で観るべき娯楽作品です。全編シネマスコープ仕様なので、欲を言えばフルサイズIMAXで観たかった部分があるので、最大幅がシネスコ仕様のDOLBY CINEMAの箱で観るのがベストかも知れません。
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