rage30

アナライズ・ミーのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

アナライズ・ミー(1999年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

精神科医にかかるマフィアの話。

「パニック障害になったマフィアのボスが精神科医の元を訪れる」という、コントみたいな設定がシンプルに面白かったですね。
デ・ニーロの無駄遣いと言いますか、いつもの重厚な芝居を見せるデ・ニーロは最高だし、彼に振り回されるビリー・クリスタルもハマり役で、この2人を見てるだけでも楽しい作品だったなと。

特に感心したのは、脚本の良さ。
主演2人の漫才の様な掛け合いは勿論の事、ビリー・クリスタルの愚痴を溢す様なツッコミも面白かったし、『ゴッドファーザー』のパロディーや本筋とは関係ない部分のギャグも笑えるものがあって。
細かいところまで気が利いているので、最初から最後までダレずに見る事が出来ました。

あとは、「精神病になるマフィア」という設定も、なかなか興味深いテーマだったかな。
劇中でも言及される様に、マフィアの問題はエディプス・コンプレックス…もっと言えば、人前で弱さや悩みを見せられない有害な男性性にあるのでしょう。
考えてみると、マフィアの世界は究極のマチズモ社会とも言えますし、そんな世界から足を洗う=男らしさから降りる事で解放されていくのも、理に適っている。

まさか20年以上も前の作品で、トキシック・マスキュリニティを扱ってるとは驚かされましたが、今見るからこそ、そういう文脈でも受け取れるし、再評価されるべき作品なのかなと思います。
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