ノットステア

RRRのノットステアのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.9
○一番印象に残ったシーン
「銃のない革命」


○感想
火のラーマと水のビーム。二人の熱い行動と友情。
友情か、祖国(と愛する者)か、家族か。迫られる決断。(あ、ポスターに「友情か?使命か?」って書いてあったわ)
屈しない男たち。
目的のために突き進むのみ。結果はどうだっていい。ただ進むのみ。

人種差別。人の命の重さ。

カッコ良かった。観てよかった。

エンドロールの最後の最後まで飽きさせない。こういうエンドロール好き。。


以下、ネタバレ
















「R」"STORY"
イギリス人の女性(キャサリン)に入れ墨を入れるインドの女の子(マッリ)。その母親の元にコインが2枚投げられる。娘の歌声に対するコインかと思ったら、娘を買われたのだった。娘を乗せた車に追いつき、返してほしいと懇願。その母親に銃を向ける兵士。するとインド帝国総督(キャサリンの夫)が言う。その一発の銃がお前の手元に届くまでにいくらかかっているかと。銃で殺す価値などないと。兵士は棒切れで母親を叩き伏せる。
(殺されたのかと思ったけど、最後生きてた。)

「R」"FIRE"
民衆の暴動に屈しない警察(ラーマ)。反対運動をする沢山の人々。そのなかで一人の男が石を投げ、肖像写真を打ち落とす。
その男を連れて来いという命令を遂行する。人混みの中、棒一本だけで突き進む。殴られ、倒されても人を倒し、立ち上がり、目標に向かって進む。無表情。
命令を遂行した後、血だらけの顔を水で洗い、また元のように直立する。
(それだけの働きを下にもかかわらず、昇進されなかった。人種差別。)

「R」"WATER"
マッリを連れ戻す旅の途中の男たち(ビームたち)。狼を捕まえようとするビームたち。狼から逃げるために虎を利用する。結果、虎を捕まえた。

ビームとラーマの出会い
マッリを連れ戻そうとするゴーンド族の羊飼いを生け捕りにすれば昇進。特徴も何も分からない。ラーマは革命の意志をチラつかせ、ビームの仲間を捕まえかける。追っている途中で、列車事故に巻き込まれ川で身動きできない少年を見つける。その少年をビームとラーマの二人で助ける。(橋の上のラーマと川沿いのビーム、よくお互いを見つけたなぁ。。。)

ビームの恋とマッリの手がかり
ラーマとビームは共に過ごし親友となる。ビームが女性(ジェニー)に見とれていることに気づく。釘を落として女性とビームを近づけさせる。
ビームはジェニーの家にマッリがいることを知る。ジェニーは総督の姪っ子。
パーティーでジェニーに気がある男とダンスバトル。(ラーマの人物像が深掘りされて良かった。優しいし、笑顔もある。)
ビームはジェニーの家に招待される。ジェニーの家でビームはマッリと会う。その日は連れ戻さず帰る。(ながながと喋ってるし、歌まで歌っちゃうから、警備兵にバレるんじゃないかとヒヤヒヤした。)

ビームvsラーマ
ラーマはビームの仲間を確保し、拷問。ビームの仲間が捕まえた毒蛇に噛まれる。ラーマはビームの中真を解放し、ビームのもとへ。
ビームは傷を負ったラーマを介抱し、自分の身分を明かす。
ビームはマッリを連れ出すため、仲間と動物を連れてジェニーの家に乗り込む。(ジェニーのことは戦いながら安全な車の中に避難させる。) 
そこにラーマが登場。ビームvsラーマ。激しい戦い。
決着はつかない。ラーマがビームを捕まえる。(兵士がマッリに銃を向けたため、ビームは諦めた。)

ビーム逮捕、「銃のない革命」
ビームは鞭打ちの刑にされる。市民全員が鞭打ちの場に集められる。
鞭を振るうのはラーマ。
鞭打ちの刑でひざまずかないビーム。
なかなかひざまずかないビームに苛立ったキャサリンは棘付きの鞭をラーマに投げ渡す。それでも、村の鼓舞する歌を歌いながら時には笑って刑を受けるビーム。
市民全員が刑を見届けるために集められたが、市民たちに革命の火を灯すことになった。
迷い悩むラーマに決断をさせた。(ラーマの目的は故郷に人の数だけ武器を届けること)

ビームを逃がす
ラーマは「銃のない革命」に心を動かされ、恋人のシータに手紙を書く。親友(ビーム)を裏切ってしまった。
ラーマはビームの処刑場所を郊外へ変更する(民衆を怒らせない)。また、マッリの目の前で処刑するようにする。銃に細工。
ラーマの作戦直前、相手は異変に気づく。
車から放り出されながらも、総督はラーマの乗る車のタイヤに発砲。ラーマは木の枝が背中に刺さる。マッリを逃がす。
ビームはラーマが反逆していることを知らない。(警察から手を縛られている縄を切るための小さい刃物を受け取ったくせに。)
マッリかビームを撃ち殺そうとしている敵から守るため、ラーマはビームに向かって発砲。ラーマの銃弾を避けるために飛んで交わす。その勢いでラーマを殴り飛ばす。ビームは石(木の枝?)をを持ち、倒れたラーマの喉元に突き刺す。ように見えて、それは喉付近の地面を刺しただけだった。(こういう結末か!と思ったらまだ結末ではなかった。)

シータとの出会い
ビームはマッリと仲間たちと逃走。しかし、警察に見つかりそうになったとき、シータに助けられる。(天然痘患者がいるという嘘。)
ビームはシータの話を聞き、ラーマが自分と敵対した理由を知る。また、自分のために捕まったことも知る。

再会
ビームはラーマを脱獄させ、ラーマを肩車して戦いながら逃げる。
めっちゃ飛ぶ。(膝ぶっ壊れるだろ!肩車してそんな高いところから着地したら!!ビームは足腰が強く、ラーマは腕っぷしが強い)

最後の闘い
革命の最後は銃だった。


ところどころで挟まれる、ラーマの過去。
ラーマにもビームにも感情移入し、どちらも倒れてほしくないと思わせる演出。うまかった。
最初の方はラーマよりもビームのほうが感情移入しやすい。ラーマはビームの敵になるのだろうと思いながら観ることになる。ラーマは『相棒』の杉下右京のように法律に従い動いているというよりは、『ONE PIECE』のサカズキ達みたいに、自分の信じる正義のために動いているような。その正義のために昇進したいと思っているような。少し自己中心的な信念なんじゃないかと予想して観ていた。
しかし、挟まれる人差し指を失った男の描写。おや?ラーマにもやはりそれなりの過去があるんだな?→指を失った男はラーマの父親だった。
ラーマの父親はイギリスの兵をしていた。しかし、インド人のイノチを軽んじられることから、故郷に帰り、故郷の人々をイギリスと戦えるように訓練していた。銃弾を兵に渡しはしない。かくじつに命中できるようになったら必ず銃を渡す。銃弾の価値はインド人よりもあると言われた過去。
そこに、イギリス兵が乗り込んでくる。
ラーマは銃の天才。父親が負傷するも、ラーマの銃によってイギリス兵は一時後退する。ラーマ一人で敵を交代させることができるのだから、皆が銃を持てばイギリスも怖くない。
しかし、次は囲まれる。ラーマの弟と母親が銃弾に当たり、死ぬ。
ラーマの父親が降伏するふりをする。ラーマの父親が腰に巻いた爆薬をラーマが撃ち、爆発。
ラーマは故郷の人たちと、必ず銃を届けるという約束。


○パンフレットより
A.ラーマ・ラージュもコムラム・ビームも実在した人物。しかし二人は出会うことはなかった。もし出会っていたら?というお話。
https://cinemore.jp/jp/erudition/2695/article_2696_p1.html



○怪我してんのに最高のパフォーマンス
鞭で打たれるシーンがある映画、最近何か観たんだけど何だっけな〜と振り返ったら『ポンペイ』だった。
共通して思うのは、鞭で打たれて背中傷だらけなのに、すぐ動けるのなんで?めっちゃいい動きできるのなんで?気合い?