小賢しさゼロ。刺激の応酬が脳に直接訴えかけてくる、脳みそ直撃映画。
でも不思議と疲れなくて、なんだかハッピーな気分になる。
「これやったら、オモロくない？」という根源的なクリエイションの欲求が詰め込めに詰め込まれてる。打算や作為なんてものが無いようにすら感じてしまう。でもそのぶっ飛んだ欲求の数々を映像化してしまう技術もとんでもない。
キャラクターの感情表現を一点の曇りもなく伝えてくるストレートすぎる劇伴がかえって、清々しく気持ちよかった。
情熱が溢れ出てる主役2人の演技とは対照的に、イギリス人役の俳優さんたちのヘタでチープな演技が、愛らしかった。
悪意もなさげに身内の殺害に加担して、エンディングで笑顔でダンスするジェニーは、よくよく考えるとめっちゃサイコパスだけど、そんな辻褄の合わなさなんかを気にしかける自分が馬鹿らしくなってしまうほどに、痛快で根源的。
製作陣もスタジオも勇気と覚悟を持って、「楽しければいい」に本当に振り切ることができるとこんな映画が出来上がるのか。
実写難易度の高い漫画原作ものの映画化は、この製作チームに託せばいい。漫画の下位互換ではなく、「映画でしかできない表現」に仕上げてくれるはず。
良い鑑賞環境を待ち続けて、ドルビーシネマで観て本当によかった。
ビームがムキムキなのに愛らしさに溢れてるし、ビームとラーマが2人で仲睦まじくスクワットするシーンはオモロかわいいし、圧倒的な強さとは対照的でいい癒されポイントとして効いていた。
