みさ

名探偵コナン ハロウィンの花嫁のみさのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

予告やプロモーションで高佐が結婚するってフィーチャーされてたから、いい意味で冒頭から裏切られた。漫画より映画が先行することもあるから、もしかしてと思ったけど、やっぱりそんなにすんなりはいかないんだな。
あともう一つ。松田さんの時の爆弾犯が脱獄するところから始まるって言われてたけど、この爆弾犯も冒頭で殺されて、ここもいい意味で予想を裏切られた。この犯人がまた事件を起こしたら松田さんが浮かばれないし、この犯人が脱獄すれば降谷さんが動く、という使い方が脚本上手いなぁと。予定調和を壊す、プロモーションも巻き込んだミスリードの勝利という感じ。

オープニング映像ハロウィンらしくポップで可愛い。アレンジが新しい人だけど、やっぱりちょっと違う雰囲気。

ゼロの執行人の時はまだ降谷さんは小五郎のおっちゃんに罪を着せることまでしてコナンくんに協力してもらったけど、今回はコナンくんに助けてくれって頭を下げる。コナンくんへの降谷さんの信頼の表れで、胸熱。

ていうか囚われの降谷さん絵になりすぎじゃない??貴族椅子座って、ワインでも飲んでるかと思った!(水だったけど)
「安室じゃない、公安警察降谷零だ!」ってセリフなかったけど、あれはあの台詞がなくても、今回は同期たちといた降谷零なんだってことが伝わる脚本だったからかな。

腕組んで高木刑事に佐藤刑事のことアドバイスする白鳥警部笑った。ずっとそこにいたんか笑 二人の恋路は邪魔しちゃったしな、って白鳥警部もちゃんと株上げてもらっててほんと脚本良。

警察学校組の回想シーンが最高すぎて、ここでもう私の中の過去最高傑作が確定しました。とにかく4人がかっこいい。かっこよくて信頼と絆の表れたシーンを本当にありがとうございます。卒業してからも4人で萩原さんのお墓参り行ってたのは胸が熱くなったし、松田さんの最期の1週間がただただ辛いものじゃなくて本当に良かった。頭の回転が速くて洞察力もあるのに「刑事だ、け・い・じ!」って言う松田さんあほ可愛い。ていうか降谷さんロシア語ペラペラなのハイスペックすぎんか。
登場から20年近く経って、こんなに解像度が上がるシーンが見られるなんて本当にありがたい。
サッと拳銃を出す降谷さんに言う「ハッ、公安はなんでも持ってやがるな」って言う松田さんのセリフ。こういう細かいところがほんと上手いんだよね。
駆けつけたヒロが開口一番「ゼロは無事?」っていうの、良。瞬時に松田は大丈夫!ゼロは?って考える判断力。そのあとゼロが来た時にも犯人から目を離さないのも良いー!あの身体能力おばけのプラーミャから回し蹴りで拳銃奪うのもさぁ…。
降谷さんの危機をヒロが救う展開も熱い。幼馴染ーーー(泣)あの時ヒロが伊達さんと戻ってたら降谷さんはやられてたし、4人とも状況判断能力優れすぎじゃない?降谷さんレベルが5人いたってすごくない?日本の警察の宝だったんだよ、亡くなっていい人たちじゃなかったんだよ…。
あと倒れてる降谷さん、不謹慎だけどとても美でした。

現在の降谷さん、同期のこと思い出す時ちょっと切ない顔するの辛いよー。

佐藤刑事はあの1週間からどうやってドーベルマン要素と柴犬要素を感じたんだろう。松田さん、あの時ドーベルマン要素しかなくないか?笑 高木刑事、柴犬とドーベルマンって情報からあれ演じるのすごい、マカデミー賞取れるよ!!

コナンくんが爆弾の部屋から脱出する時、少年探偵団が下で早く早く!って言って、コナンくんが「わーってるよ!!」ってちょっと怒るの可愛くて笑った。

コナンくんがプラーミャと対峙する時の「…つかw」、かっこよ。みなみさん天才。

クライマックスで「君がいれば」が流れたのほんと震えた。15作振りらしい。私ですらものすごく感動して心の中で拍手したから、毎年毎年ずっとコナン追ってたファンは心の中でスタンディングオベーションしたんじゃないかな。25作にふさわしいクライマックスだったと思う。最終回!?って思った(そんなわけない)。
あと、コナンくん、切羽詰まった時だけ歩美ちゃんじゃなくて歩美!!って呼ぶの、良いよね。

犯人は個人的な動機もなく完全悪。こういう犯人は珍しいなぁと思ったけど、今回くらいスケールの大きい作品には相応しいなと思った。

今回は信頼と絆の映画だなと思った。警察学校組の信頼と絆、高佐の信頼と絆、安室さんとコナンくんの信頼と絆、コナンくんと少年探偵団の信頼と絆。尊い。どれも尊い。

誰一人雑に描かれることなく、悪く描かれることもなく、ちゃんと全員が全力で、健闘して、見せ場があって、作り手の方々の大きな愛を感じた映画だった。同期組の回想シーンで活躍できなかった萩原さんの見せ場も最後にちゃんと用意されてたのが嬉しい。最後に全部持ってく男!!最後の萩原さん、自分で電話するんじゃなくて「陣平ちゃ〜ん!水道局ー!」って頼るのいいよね。幼馴染尊い。

同期組の4人は亡くなっているけど、過去の人たちではなく、あの4人が遺したものが繋がって、今回大勢の命を救ったんだっていうのが、本当に素晴らしいなと思った。萩原さんは松田さんの命と渋谷の町と人々、2回救ったんだね。松田さんのとこで一度伏線出しとくの上手いなぁ。

最後降谷さんは空を見上げて何を思ったんだろう。仲間への感謝かな。「お前らのおかげで大勢の命を救えたよ」って言ったのかな。

ネットで調べると、「クロノスタシス(Chronostasis)」はギリシア語で時間を表す「chrono」、持続を意味する「stasis」を組み合わせた言葉。アナログ時計を見た直後だけ、秒針の動きを遅く感じてしまう錯覚を意味するらしい。「秒針の止まった記憶の中……」 降谷さんは3年前、同期たちとあと少しまで追い詰め、今回同期たちと一緒に犯人を捕まえることが出来て、やっと止まっている時が動き出して少しだけ前に進めたのかなと思う。

ていうか、コナンくんが会ったのは萩原さんだって降谷さんは分かっただろうし、7年前に会ってるってことはコナンくんが小1じゃないってことなのに全然驚かなかったってことは、コナンくんのこと降谷さん気づいてるよね。

最初と最後の訓練はちょっとやりすぎかなと思ったけど、まぁそれはご愛嬌ということで笑

過去最高傑作だと思う。本当に。素晴らしい作品をありがとうございました!!!!!
みさ

みさ