シスターフッドか
疑似親子ものの感動譚かと思いきや
まるで救えない話だし、
そもそも主人公であるバニーに共感できないことがしばしば。
しかし、観客と距離を置くバニーであるからこそ
普遍的な世界観の異物として
強烈にインパクトを残す。
欲を通すあまり、
スナック感覚でサクサク犯罪を重ねていく彼女は
紛れもなく“異質”なのであるが
排除対象としての“異物”であるのか、
本作を見てこそ分かる
その違いが
現実では見過ごされているのかもしれない。
ケン·ローチがちらついてしまうのは必須として、
同じ疑似家族ものの有名作品である
『万引き家族』や
『ベイビーブローカー』に
残っていた家父長制の香りを
おしっこに臭いで上書きする。
その強引さは見習うべきものがある。
そしてパスワードは変更すべきである。