わっきーせんぱい

百花のわっきーせんぱいのレビュー・感想・評価

百花(2022年製作の映画)
3.4
「半分の花火が見たいの」。
認知症になった母親を演じた原田美枝子のセリフを予告編で聞いた時、我が故郷・諏訪湖の水上スターマインを思い出した。
それを確認したくて、映画館に足を運んだ。
(諏訪に住む妹に聞いたら、あちらでは有名だということだったけど)

これは、忘れること(認知症含め)の切なさと、記憶のお話。カットバックや、シーンの繰り返し、見えないものが見えたり、妄想だったり、と物語の進行に、いろんな手法を用いている。
ただ、観客に委ねられる、補完の部分が自分にはしっくりこなかった。
コロナで会えない(会うとデイサービスや医者に行けなくなるから)老いた母も、軽い認知症だから、他人事ではないのだが、オレのことはまだわかるけど、過去の記憶は混同する。でも、我の強さだけは増強されたらしい。

原田美枝子さんの、たぶんCGであろうツヤツヤなお顔から、特殊メイクで描かれる老いの姿まで、印象的に目に焼きついた。