わっきーせんぱい

パリ、テキサスのわっきーせんぱいのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
3.9
午前10時の映画祭14。初めて観てから39年が経っているので、それ以来の鑑賞。

赤いキャップを被り荒野を歩く1人の男=ハリー・ディーン・スタントンくらいしか記憶になかったが、ライ・クーダーの哀愁のギターで次第に物語にのめり込んで行った。
4年間失踪していた兄トラヴィスと彼の息子ハンターを引き取って育ててきた弟夫婦。冒頭も映画後半もテキサスを舞台にしたロードムービーとしての様相はあるが、トラヴィスと妻だったジェーンの話に集約していく構成は見事だ。
トラヴィスは弟夫婦に対して、特に妻アンにずいぶんわがままだと感じるが、おそらくヴェンダースが描きたかったのはそんな単純な繋がりの話ではないかもだ。

久しぶりに見たナスターシャ・キンスキーのはっとするような美しさと金髪をかきあげる仕草に酔いしれた。