教授

デコトラの鷲(しゅう) 祭りばやしの教授のレビュー・感想・評価

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最新作の予習に…と。

……………。なかなかに凄い内容。
「映画」にも色々あるなぁという感慨もありつつ。あまりの酷さと、それを織り込み済の観客と作り手の「馴れ合い」と妙な面白みの両方を感じる。

とにかく、この手の低予算で、まったく作り込まれいない大量生産の「映画」たち。
大ヒットはしないが、脈々と、滅びることなく、緩く生き残っていくこれらの作品たち。

1億歩も譲ってかつての東映映画「トラック野郎」のオマージュと言われればそうかもしれないが…あってないような(というよりもコント以下)の物語に何周も回って、変な楽しさが生まれてくる。

僕が今、何を書いているかまるで意味がわからないと思うが、僕も、この映画を観て何を思えば良いのか未だわからない。

この手の何周も回った映画を面白く観るには(そして僕は決して嫌いではない)、あまりにも無内容でシンプル過ぎる物語展開が、むしろ、難解に感じてしまう。
プロット以外に何もないので、語りようがない上に、そのひとつひとつのエピソードや、ギャグや、撮り方、オチのつけ方などの狂人とも思えるシュールさに、まるで実験映画を観ているような気分になる。

冒頭。タイトルクレジットの何故だか洋画志向の英語表記。
からのデコトラのレースシーン。そこに挟まる中野英雄のウンコネタも酷いが、何よりそのレースシーンの緩さに頭がクラクラする。

ほぼ全てのシーンにおいて、なにがしかの意味不明さがつきまとうので、とにかく心のザワつきが収まらない上。
時折、不覚にも笑ってしまうという挫折感も凄い。

何より、ラスト近くのルー大柴の絶妙なまでのノイズ演技と、哀川翔との延々カットを切り返すだけの画面作りの珍妙さに気が狂いそうになる。

あまりにも意味不明過ぎる90分弱にグッタリ疲れ果ててしまった。面白かったけど。
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