おーもり

バブルのおーもりのレビュー・感想・評価

バブル(2022年製作の映画)
3.0
極彩色のキラキラ。パルクールのアニメーションによる瞬間、心、重ねっぱなしの心地よさ。
重力の壊れた東京という世界観・設定の絶妙な説得力よかった。
しかし過度の新海誠成分でヒタヒタになっているこの身にとっては、このレベルのセカイ系は前時代的に見えるのであった。
流石にいろいろ投げっぱなしで雑よ。

主人公のヒビキ。周囲の音・声に対して過敏な感性をもつ彼が、セカイを拒絶するためのアイテム。へッドホン。
うーんその感じ、ちょっと古臭いなぁ。”すばらしきこのせかい”で15年以上前にみたわ。
そこでそのヘッドホンをどう外すのかがドラマになるはずが弱かった。
対して出会う少女ウタ。彼女のキャラも動機もオリジンも、説明不足で消化不足。
主人公を全肯定する都合のいいキャラだ。雰囲気で純愛させている感じが強い。
周囲のキャラも、エヴァのキャラ混ぜた感じの味付けされたマコトさんもなんだかなぁという感じ。

ラフプレーがお得意なアンダーテイカーチームは良かった。
ああいうダウナーアウトローな敵対チームも好きだし、その後の役どころも燃えるよな。

ただやはり、肝心のお話がぜんぜんアガらない。
散りばめらた謎が終盤に回収されるかと思えばされず、じゃあヒビキとウタVS世界になるかと思えばならず。幼少の記憶にを運命を決定的に変える鍵があるかと思えば曖昧で。
練りに練られた裏設定があるのかもしれないけど、全然匂わせも考証しがいもなさそうだ。
もっとエモさをくれ~~~~~。