おーもり

変な家のおーもりのレビュー・感想・評価

変な家(2024年製作の映画)
3.0
原作既読。
マスコットとしての作者、雨穴さんが居ないなか、工夫して作られていると感じた。
行き詰まっているYoutuberの雨宮さんの振り回される主人公、やけにオカルトや勘が鋭い栗原さん。シリーズ化を期待しているのでまたこの二人に会いたくなる演技、配役だった。
特に栗原さん演じる佐藤二朗は、普段のおちゃらけ無しの怪演という感じでとてもよかった。

ストーリー自体の”嫌”さは保ちつつ、半ば強引だけどよく整理されていた。
事前のプロモーションで散々ひとつめの家の間取りを刷り込んでいるので、劇中ではあっさりめの解説とネタバラシにとどまった。原作未見の人は拍子抜けしたことだろう。
ただ、そうはんらんやろ~的なツッコミポイントがちらほら見える。俯瞰している小説とは違って、主人公が能動的にアクションをとらないと映画の見せ場が作らせにくいという事情はわかるが、動機づけが微妙。主人公が危険に突っ込んでいくモチベーションが何かよくわからないことになっている。
必然性の無いびっくりさせポイントが多いのも少しイライラする。例えば雨宮と川栄李奈さん演じる前髪重たい一族の柚希さんが、変な家に勝手に内見しているときだったり、おばあちゃんの唐突な甲高いしゃっくりとか。
ビックリとか、おどろおどろしい表現で緊張させれられたたあと、実はその演出は物語中にまったく必然性がなかった時、凄く「はぁ〜あ」ってなる。恐怖要素が足りないからって、無駄に疲れさせないでくれ。それなら90分にコンパクトに収めてよ。

でもラストの疾走感や、風呂敷の広げ方は映像化らしいアレンジになっていて良いと思ったし、おかずもう1品サービスしておくね!的な、唐突なチェンソーBBAは振り切れていて好感でした。