このレビューはネタバレを含みます
イマジナリが誠実であるほど、現実の身勝手さに悲しくなった。
空想に逃げることは悪いことではない。現にアマンダはラジャーというイマジナリを生み出すことで父の死から立ち直ることができた。
しかしこの作品では、イマジナリから離れられないまま年老いたバンディングによって、現実逃避の成れの果てまで描いているのだ。
アマンダもいつか大人になる日がくるし、大人になれば太刀打ちできない現実に1人で折り合いをつけられるようにならなくてはならないとされている。
しかし、アマンダの母のように大人になってもイマジナリを思い出すことで救われることもあるし、心に残しておくことも悪いことではないのだ。苦しいときは1人で抱え込まなくてもいいのではないか。
想像力には残酷な現実をも変える力がある。
たかが空想も人を救うことがある。