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屋根裏のラジャーのFAZのレビュー・感想・評価

屋根裏のラジャー(2023年製作の映画)
4.0
子供の時にイマジナリーがいた人
自分で生み出したキャラクターがいた人
人形に名前をつけて遊んだ記憶がある人

そういう、自分が生み出した空想上の生き物がいたことがある人は、その存在が印象深いほど、刺さりまくって苦しくなって涙が溢れてくると思う。

映画を見る前は、それほど評価も高く無いし、失礼な話あまり期待をせず見始めた。
そしたら身構える術もなく、琴線に刺さる刺さる!笑
大人になるにつれ、どんどん狭く小さくなっていった、私の1番柔らかくて綺麗な場所が一気に解放されたような気持ちになった。

私はイマジナリーがいたことは無かったけど、幼少期に本当に空想好きな子だったので、いろんなオリジナルキャラクターを生み出しては絵に描いていたし、高校大学ではひとつのキャラクターで長い小説を何年も書いていたことがあるから、そういう思い出がどんどん蘇ってきて、涙がボロボロ溢れた。

映画はイマジナリーなので子供対象ではあるけれど、想像上のキャラクターと考えたらいろんな想いが湧いてくる。

ワンピースやディズニーみたく、世界的に人気で忘れ去られないキャラクターもいる反面、きっと忘れ去られていったキャラクターもたくさんあって、そういう彼等はこんな気持ちだったのかなとか、私が生み出した彼らもこうだったのかなとか、なんだか見終わってすごく感謝したくなる映画だった。

ただ、私がそういう幼少期や経験があるから刺さりまくった映画だったので、リアリストでそういう経験が無い人は、あまりこの良さが理解できず刺さらないかもしれないなとも感じた。
自分がどういう子供時代を過ごしたかによって、この作品の受け取り方が左右される映画なので、評価が低い人がいるのも納得。

スタジオポノックなので、絵はジブリ色満載だし、声優さんが芸能人の点も同じ。声優さんは良い人もいれば微妙かなと思う人も正直いた。
シンプルなストーリーと展開なので、最近の哲学的な少し難しいジブリよりもわかりやすいんじゃ無いかなと思う。
私はすごく好きでした!
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