垂直落下式サミング

映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

2.8
劇場版クレヨンしんちゃん初めての忍者もの。忍者の里で起こる地球の危機をめぐり、しんのすけたちが奮闘する。
『そして父になる』みたいな、赤ん坊の取り違えを扱っているけれど、医療機関のミスではなく相手側の意図的な交換なのがたち悪い。
本来ギャグアニメなんだから、ムリクリ家族愛の物語に繋げるみたいな風にしてしまうと、設定にもムリが生じてくる。
後付けで本来なかった葛藤を設定して悩んでみせるみたいな、いけ好かない感じになっちゃってて、つまんないんだよな。みさえもひろしも、相手側の勝手を責めて、もっと対立していくべきだと思うんだけど…。
30周年作品だからか、ゲストキャラ、のはら一家、カスカベ防衛隊、三組それぞれに見せ場を分配したために、本筋みたいなのが薄くストーリーが散漫に感じる。
なんか忍法も説得力がなくて、奥義とされる術が巨大な動物を具象化するやつだし、みんな軽はずみに使えちゃうのも微妙。正統派でクラシカルな忍法をたくさんみせてほしかったから、いきなり自来也豪傑譚みたいなスットンキョーはちょっとね。
つーか、そもそもおたくらの術弱くない?何が術多いプロフェッサーだよ。大卒忍者がよ。額当てに一文字傷で里抜けるってばよ。