Yuri

ピンク・クラウドのYuriのネタバレレビュー・内容・結末

ピンク・クラウド(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

20年オーバーのパンデミックか~もうリアルにありえる世界になっちゃいましたね・・・。何を幸せと感じるかは人それぞれ。何の制約もない世界なら、それぞれにとっての幸せをそれぞれ追い求めることが出来て、同じことを幸せだと思える相手といるのが心健やかな生き方だ。でも、その中で自ら制約の壁を作ってしまうのが家族だ。私は家族ってそういう最も小さな集合体だと思っている。ずっと幸せな時ばかりではなくて、お互い憎かったり悲しかったり離れたりしても“家族”なのが“家族”を作る意味だと思っている。多分、私にとっては、孤独でない、支え合えるということが最も幸せの中で重要視されるのだろう。一見、ヤーゴのように現状で満足するタイプのように思えるが、自分にとっての完璧な幸せを作り上げた後は、それを失ったら永遠に嘆き続ける、思考転換が出来ないジョヴァナタイプが私だと思う。それを得る為なら死をも恐れないところとか。女性の方がそういう大胆不敵さも兼ね備えている気がする。今ある幸せを大事に出来ないのは不幸だと言う意見もあると思うが、それって自分にとっての幸せランクをどんどん下げてくしかなくなると思ってて、それを不幸だと感じてしまいそう。今あるものには勿論感謝しますけど。観る前は毒が目に見えたら、確実に死ぬってわかってたら、こんなにコロナ禍みたいに混沌としなくていいんじゃないかと思ってしまったけれど、確実な死が窓越しに隣にあったら相当怖いよね。あとははっきりと目に見える毒だとしても、今度は「これは本当に毒なのか?」という疑問が生まれるんだって本作を見て知った(爆)人間って良くも悪くもどこまでも希望を捨てない生き物なんだなぁと。ディストピア・スリラーだけど、私にとっては身近な家族の話で身に積まされた。飛び出さないと恋焦がれた幸せ以上の幸せは永遠に手に入らない。でも、飛び出した時点でジ・エンドかも知れない。わかりやすく人生の選択、生き方を描いていて、今頑張って耐え続けたら、私が幸せだと感じられる世界はまた来るのかなと哀しい余韻に浸ってしまった。
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