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サバカン SABAKANのmarucoのレビュー・感想・評価

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
4.0
サバカンSABAKAN観ました。

昨日は
「悪人」しか出てけえへん映画観て、
今日は
「善人」しか出てけえへん映画観て、

極端なこっちゃなと…ひとり笑ろた。

小学5年の久田くんと竹本くんのひと夏の甘くて酸っぱい蜜柑のようなそして海水みたいな塩っぱい冒険物語。
やっぱりどんな理由であろうが、
別れは辛いし哀しいし泣く。
2人の少年達に泣かされた。

ところで、
この愛くるしい久田くんが
大人になって草彅剛になる…
これがも一つ、
ピンとけえへん。繋がれへん。
marucoには
草彅剛の特徴的な暗い目元に、
愛くるしい久田くんがどこ探しても、
見当たれへん。おれへん。

それやったらいっそ岡田准一か、
いや違うな、久田くんには、
有吉弘行がええと思った。
彼に演技力があるとしたらやけど。
有吉弘行のどこか土臭い摺れてないところと小柄な体つき。
そしてくりっとした目。
少しばかり弱さを感じる優しさの
滲み出た顔立ち。
これは久田くんのイメージに合うと
感じる。
そして、
大人になった竹本くんには
森山未來か綾野剛に演じてほしかった。
ただこんな話はあくまでも、
いつものmarucoのアホみたいな
妄想やし有り得へん話やけど…、

そして、物語後半には
大人になった竹本くんの無事を遠巻きに伝えてくれる。
その時は嬉しかったなぁ。
ホッとしたなぁ🤗

だけど一貫して、
何故大人になった竹本くんだけを
見せてもらえなかったのか、
我々観客に披露せえへんかったんか、
そのあたり納得がいけへんかった。
敢えて見せへん…、みたいな、
そこのところはきっと計り知れない、
すごいこだわりがあったんやろと思う。
だけど私にとっては、
まるでチンケなサスペンス風味。
これは頂けない…、と痛感した。

この物語としては
中心人物の2人の少年が大人へと
成長した姿を見せることに、
何をためらうことがあろうか…、
2人揃って、
いや別に揃わんでもええ、
別々でええ。
竹本くんの顔ぐらい、
披露するのが当然やし自然やと、
marucoは頑なに思う。

竹本くんの哀しみと苦労の末ようやく
長崎の故郷に帰り着き、
錦を飾ることができた竹本くん、
自分の寿司店でサバ缶寿司を握ってる、
そんなカッコええ竹本くんの姿を
やっぱり観せてほしかった。
見せるべきやろ、思った。

そんなこんなで、
片手落ち感が遺ってしまった。

最後に、
貧しさの中に、
「清貧」という美しい語彙がある。
若干の解釈のズレがあるやも知れへん。
だけどこの「清貧」…の美しくも
哀しい文字面が心に沁み渡る気がする。
心が洗われる気がする。だから、
竹本くん一家はこの言葉が似合う。
貧しさの中で育った子供には、
知恵がある。
物を大切にする優しさがある。
逞しさがある。 
芯がある。
そして、
人に対する深い思い遣りがある。

お父ちゃんの肩を30分揉んで、
やっと10円もらえる…、
当時の子供達がとにかく可愛えぇ。

マタアワセテクダサイ💐

追記
ナレーターとしての草彅剛さんは
ほんまにステキやと思いました。
声質がとにかく素晴らしい。
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