ベンジャミンサムナー

サバカン SABAKANのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

サバカン SABAKAN(2022年製作の映画)
3.0
 少年の友情よりも、自転車の荷台で竹原ピストル演じる親父の背中にもたれかかってる画がエモかった。

 だが、幼少期にクレしんの『オトナ帝国』を観てノスタルジーに耽溺する危険性を学んだ身としては、これほどまでに美化された80年代を享受するのには抵抗がある。

 作家の主人公が子供時代を回想する導入はモロに『スタンド・バイ・ミー』だが、あちらでは主人公の親友は既に亡くなってて会えないからこそ子供時代がより尊いものになっているが、本作は「サバ缶を見るたびに思い出す少年がいる…」というモノローグで始まって「今でも友達でーす」で〆られてもそこまで余韻がないんだよな。