ただでさえ3時間ある上、ノーランお得意の時系列を入れ替えた構成だから一度の鑑賞で100%要素を咀嚼できてはいない。
『メメント』みたいにモノクロパートとカラーパートで2つの時間軸だけならまだしも、カラーパートだけでも時間軸が複数ある。
というか、これだけ多くの人物が入り乱れる政治劇をこんなトリッキーな構成で描く意味ってあるの?
例えば、『日本で一番長い日』や『シン・ゴジラ』は普通に直線の時系列で見せるだけでサスペンスフルなのに、それをシャッフルしてもややこしくなるだけでしょ?
トリニティ実験の核爆発によって核の時代の幕開けの瞬間を無音で表現しているが、物語がその瞬間の前後をずっと反復横跳びしてるせいで上手く活きてない。
そんなに時系列シャッフルがやりたいなら他に適した題材があるだろうに。
オッペンハイマーの伝記をやる以上は変化球カマさずストレートにやってほしい。