pikumin

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのpikuminのレビュー・感想・評価

4.5
試写会にて鑑賞。
A24制作のマルチバース(コメディSF)と聞いた時から、一体どんな作品なのだろうと日本公開を心待ちにしていた。

いや、待った甲斐があった。あまりの衝撃に、エンドロールは呆然自失、見終えた後も暫く席を立てなかった。

確定申告に追われるエブリンを中心に、夫ウェイモンド、娘…家族を巡る壮絶なカオスの物語。ストーリーとその帰結はシンプルだが、とにかく脚本が化け物級(映画的に言うなら異次元級)だった。よくこんなことを思いついたなと思う。

ジョン・ウィックを彷彿とさせるような敏腕カンフーアクション、未知のアルゴリズムに予測不可能なSF展開、その根幹にある人間としての愛や葛藤を描く人間ドラマ… 全てが凝縮されたマルチバースの世界に、瞬きすら惜しくなるほど夢中になった。

解釈の概念が吹き飛んでしまうような激震に、この物語を形容する言葉が未だに定まらない。が、それもいいのかもしれない。
それほどに「映画を観た」ことへの体感、圧倒的な満足感に満ちている。
間違いなく今年の見逃せない一作。
公開されたら、是非また映画館に足を運びたい。

※試写会にて、一足先に鑑賞させていただきました。貴重な機会を与えてくださった関係者の皆様に、心より感謝を。ありがとうございました。
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