RYUYA

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのRYUYAのレビュー・感想・評価

4.5
どうしても確認したいことがあって、久しぶりに映画のパンフを買った。やはり『スローターハウス5』と『千年女優』の名が。わかる、そこ...やりたくなるのよね、めっちゃわかる!と、身分をわきまえずに共感しまくった、狂瀾怒濤の"ミニマム"スペクタクル。

少ないシーンたちを、細かく輪切りにして編集で組み上げて膨大なカット数に見せてる感じとか、めっちゃインディーズの攻め方っすよね。"フラッシュ100変化"の圧巻の演出なんて、単に同位置で撮ったモノを編集で飛ばしてるだけだし...。そんな感じで、誰もが明日からマネできるような技術ばかりを使って、誰もマネできない映画を生み出す監督2人のフザけたセンスに感服。

ぶっ飛んだ内容も、掘り下げると本筋はクソシンプルで、観念的な"悪役"の描き方にも哲学を感じたりして。あと、やりたいアイデアを「マルチバース」という禁じ手を使いパワープレーでまとめ上げるのズルすぎるし面白すぎ。画面のサイズもおそらく映画史上ダントツの回数で変化するし、かと思いきやビックリするぐらい"静止画"で見せてくる時間もあったり(hahahahaのやつマジすごかった)。音楽のアプローチもなんか、普通じゃないのよ。今何やってるか全然分かんないのに、劇伴に誘導されて謎に泣きそうになった瞬間が何度あったことか。映画って、帰りにふと「アレまじ何だったん?」って思い出し笑いするくらいのヤツが1番ちょうどいいのかもな〜と思った。ホアチャ〜!
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