RYUYA

オッペンハイマーのRYUYAのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.0
フルネームで言える俳優が25人くらい出てきて普通にビビッた。端役まで全員主役級。「日本人として」みたいな感想の前にまず映画好きとして、ひっきりなしに興奮させられた。

時代・シーンの交錯や、会話の中にかなりの頻度でカットインする爆発の映像、緊張感を煽りまくる音(この映画に音がなかったらと考えるとゾッとする)、それらのせいでおかげで3時間、あっという間だった。ノーランの映画のラストって、いつも群像劇的に各キャラのズームで終わる印象なんだけど、今作は構成ごと"全編それ"みたいな感じだった。伝記映画という枠に収めるにはあまりにも新しく、それでいて恐ろしいほどに正直な映画に感じた。

「日本を一切描かずして原爆を描く」って、これなかなか無理っすよ。被爆した日本人の映像が1カットでもあったら台無しだったと思う。そうゆうあからさまな贖罪演出を避けて、静かにアメリカ人の肩を揺さぶりにかかる監督の覚悟みたいなものが、丸ごとオッペンハイマーの眼差しに憑依して見えて、圧倒された。

教科書とNHKスペシャルとたまにやる戦争映画くらいでしか"あの日"を振り返らないくせに、何をそんなビビって公開遅らせたのかがマジ意味不な、とても誠実な映画でした。ただ、観たから思ったけど、確かに"バーベンハイマー"はクソむかつくな笑

でも台詞。悔しくて帰りに泣きそうなるくらい半分以上何言ってるか分かんなかった。ノーラン映画観るたび思う。バカは映画監督なれねぇな...。
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