shizuq

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのshizuqのレビュー・感想・評価

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長くて途中で疲れちゃったけれど、カオスの中から伝わってきたものが地味に今の私に沁みました。

毎日ってとても平凡で、全く同じようにすぎていくように感じる。学生の時に淡く思い描いていた未来はこんなのではなかった。過去に自分が選んだ選択肢をああすればもっと違ったかもしれないとくよくよするし、今の自分はなにか違う、自分に合う仕事や環境が他にあると思い現状に満足できない。

マルチバースは、なりたかった自分・なれたかもしれない自分・でも諦めた自分・存在しない自分。自分の、自分に対する期待がマルチバースなのだと思った。今ここに集中して、とエブリンに夫にジャンプしてきた他人が言う。あぁ私に言われてるなと錯覚するくらい刺さってしまった。目のくらんでしまう期待や希望を手にした世界では、別世界では当たり前の大事なものを手放さなくてはならないかもしれないのだ。結局どの道を選んだとしても後悔はつきものだし、選ばなかった道のことを考えてもキリがない。だったらちゃんと、過小も過大もせず今の自分をみつめて生きていくことが一番いいのかな、などとカオスに揉まれながら思いました。まぁ隣の芝は青いし、昔選ばなかった道は魅力的なのでこれがなかなか難しいのだけど。

クリームチーズを挟んだベーグルはものの見事に食べたくなりました。
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