このレビューはネタバレを含みます
2023.9.3.
賞的な話題性もあってなんだかたくさん褒められていた空気を感じていたので期待しすぎてしまった感じです。
アジア系中年女性が主人公でクィアな要素もあって、というところの新しさが評価されているというのはわかるけれども、そしてそれ自体はとてもいいことだと思うのだけれど、それ以前のところ、すごく表面的なところでダメでした。
一言で言えばもうひたすらに笑いのセンスが苦手でどこかの時点で「あ、無理」と思って以降心のドアが1枚2トン×10くらいの勢いで何重にも閉じてしまい、その後にいくらいいところがあってもそれを感じるための心の余裕が死んでいたような感じ。
特に前半、意図のわからない露悪さに晒されているとしか感じられず、苦痛でした。
後半、キー・ホイ・クァンのハイライトのところだけはほぼ唯一陽性の印象を残してくれ得るところでしたが、このお話自体はスターウォーズの母子関係版みたいなドメスティックなテーマが前面に出た話っぽいので「メッセージとしてはまっとうだけどなんかストーリー的な文脈からは浮いてない?」というモヤみもあり。
なんかこう、全体に「いいところがあったとしてもそれを打ち消してあまりある微妙要素が気になって楽しく見れない」フラストレーションが絶えない映画でした。