よしや

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのよしやのレビュー・感想・評価

3.6
アジア系の移民の母と娘の日常的な感情すれ違いをSFライクな奇想天外なパワフルな演出に落とし込んだ一作。
過度な装飾的な部分はさておき、コアな部分、家族ゆえのすれ違い、世代間の価値観のギャップ、アメリカでマイノリティとして暮らす人種たちの肩身の狭さといったテーマはアン・リー「推手」を彷彿とさせる。
気が狂って頭のネジが外れたアン・リーが撮った、みたいな映画。

SFやカンフーのシーンは勢いがあって一見バカバカしいがシリアスなテーマと合わさって絶妙なバランスを保っており、台湾系の映画監督たちが積み上げたものを新鮮に表現できたのはひとえに監督クワンの手腕であろう。

オスカー受賞にはやや力不足感は否めないがA24ならではの小型爆弾のような映画だと思う
よしや

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